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川崎汽船、CO2回収貯留推進でYinsonと覚書締結

2025年6月18日 (水)

ロジスティクス川崎汽船は17日、英国の子会社、“K” LINE ENERGY SHIPPINGとノルウェーの海洋サービス、Yinson Productionが、浮体式液化CO2貯蔵・圧入ユニット(FSIU)と液化CO2輸送船の共同開発について覚書を締結したと発表した。欧州を中心に開発が進められているCO2回収貯留(CCS)プロジェクトに向けた輸送サービスなどの開発を共同で進める。

CCSは発電所や化学工場などから排出されたCO2を、他の気体から分離して回収し、地中深くに貯留・圧入する技術で、二酸化炭素排出量の削減に向け、世界的に開発が進められている。

陸上でCO2受入基地の用地確保が難しい場合や、受入基地から貯留地までの距離が長くパイプラインの延長が必要な場合などは、洋上で液化CO2を貯蔵・圧入するFSIUが有望な選択肢となる。世界で複数のプロジェクトが進んでいるが、Yinsonもノルウェーでのプロジェクトに参加している。同社は、浮体式石油・ガス生産貯蔵積出設備(FPSO)や浮体式石油・ガス貯蔵積出設備(FSO)を運営しており、海洋資源分野で幅広い専門知識を持っている。

一方、川崎汽船グループは、液化ガス輸送船を保有し、運航や管理で多様な実績があり、KLESは世界初の本格的なCCSプロジェクトに従事する液化CO2輸送船2隻の船舶管理を行っている。また、川崎汽船とYinsonは18年からFPSOでの協業を開始し、現在は2隻を共同保有している。

FPSOとFSIUはどちらも浮体式で共通点が多いことから、それぞれの豊富な実績と知見を活用し、共同でFSIUを用いた液化CO2輸送を提案していくことで合意した。陸上で回収されたCO2を液化CO2輸送船でFSIUまで輸送し、FSIUから海底の地下貯留層に圧入する計画で、液化CO2の輸送と圧入の一体化を図る。

両社は「Yinsonのオフショアエンジニアリングの専門知識と川崎汽船のCO2輸送の経験を組み合わせることで、大規模なCO2輸送・貯留を可能にする革新的なサービスの開発を目指す」としている。

FSIUと液化CO2輸送船のイメージ(出所:川崎汽船)

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