調査・データインドのリサーチ会社スカイクエスト・テクノロジー・アンド・コンサルティングは19日、レポート「海上コンテナ市場:成長、傾向、将来の見通し(2025-2032)」を公開した。
世界の海上コンテナ市場は2023年に104億米ドルと評価され、年間成長率(CAGR)3.8%で成長し、2032年までに145億5000万米ドルに達すると予測されている。
市場の成長要因としては、企業がコスト削減や効率向上、サプライチェーン業務の合理化の面から、より安全な商品輸送が可能なコンテナ輸送が求められている。また近年の物流業界では持続可能性が重視されており、より環境に優しいコンテナの開発やCO2排出量を削減するための輸送方法が注目されている。さらに越境EC(電子商取引)などが急速に成長しており、コンテナ輸送の需要が大幅に増加している。
一方、市場の課題としては、新技術の採用や既存システムへの統合は複雑でコストがかかり、導入が難しい場合がある。また近年の労働力不足が港湾業務をはじめとするサプライチェーン全体の効率に影響している。さらに燃料価格の変動、地政学的緊張、その他の要因により輸送費が増加し収益性に影響が出る可能性がある。
部門別で見ると、ドライコンテナ部門は汎用性、費用対効果、電子機器や繊維を含む幅広い商品への適合性により、現在最大の市場シェアを占めている。冷蔵コンテナ部門は、生鮮食品需要の増加、オンライン食品宅配サービスの拡大、製品の品質維持と賞味期限延長の必要性から今後大幅な成長が見込まれている。
地域別で見ると、アジア太平洋地域はここ数年間海上コンテナ市場を支配しており、主要な製造拠点、ECの急速な成長、インフラへの投資の増加により、今後も市場をリードすると予想されている。中国やインドなどでは経済が拡大し続けているため、海上コンテナの需要が急増している。ヨーロッパは強力な貿易関係、発達した港湾インフラ、イノベーションとテクノロジーへの注力により最も急速に成長している。
同社によるとこの市場は、世界貿易の拡大、ECの需要増加、技術の進歩などを背景に今後も継続的な成長が見込まれる。変化する市場環境に適応し、持続可能性を重視し、革新的な技術を活用できる企業が市場をリードすると予測した。
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