三井物産、ブラジルの貨物輸送会社に出資

ロジスティクス三井物産は19日、総合資源会社のVale社がブラジルで運営する一般貨物輸送事業に出資参画することで同社と合意し、18日に契約書を締結したと発表した。

Valeの100%子会社で同事業を運営するVLIが20億ブラジルレアル（880億円）の第三者割当増資を実施し、三井物産はこのうち8億ブラジルレアルを引受けるほか、Valeから既存株式を7.09億ブラジルレアルで買い取り、合わせて15.09億ブラジルレアル（660億円）でVLI株式の20%を年内に取得する。

VLIは事業権や通行権を持つ1万700キロメートルの鉄道網と、接続する複数の港湾ターミナルを活用し、ブラジル中・北部地域で穀物や肥料、製鉄原料や鉄鋼製品などの一般貨物を対象とした複合一貫輸送サービスを提供している。

VLIは鉄道輸送・港湾能力を増強して貨物取扱量の倍増を目指しており、機関車・貨車の調達や鉄道網、港湾ターミナルの整備・拡張など、今後5年間で90億ブラジルレアル（3960億円）の新規投資を行う計画。必要資金は今回の20億レアルの増資のほか、VLIの営業キャッシュ・フローや借入れで賄う。

ブラジルでは今後、さまざまな分野で貨物輸送量の増加が見込まれているが、鉄道網の整備の遅れによるトラック輸送への依存度の高さ、港湾設備の不足による高い物流コストが深刻な問題となっている。