イベントCLO(物流統括管理者)選任の義務化が2026年4月に迫るなか、物流の「実装」段階で何がつまずきになっているのか──。LOGISTICS TODAYは12日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催された「ロジスティクスソリューションフェア2026」のプレゼンテーションセミナーで、「物流議論 出張版 in ロジスティクスソリューションフェア」を実施した。テーマは「CLO選任義務化を見据えた、フィジカルインターネット時代の実装論」。制度対応を目前に控え、物流拠点、システム、企業間連携の観点から、実装段階で求められる取り組みが議論された。
登壇は、野村不動産都市開発第二事業本部物流事業部課長の佐久間淳一氏と、YEデジタル物流DXシステム本部副本部長の浅成直也氏。モデレーターは本誌編集委員の刈屋大輔が務めた。

▲野村不動産都市開発第二事業本部物流事業部課長の佐久間淳一氏(右)
議論の起点となった課題は、政府が掲げるKPIである積載率50%以上と荷待ち時間2時間以内を、企業単体の努力だけで満たすことの難しさだ。佐久間氏は、CLOに求められる3つの責務を法令順守、ステークホルダーマネジメント、合理的なコスト最適化として整理し、共同化や自動化の推進が不可欠だと指摘した。そのうえで、まず着手すべきは「可視化」と「対話」であると強調。自社の現状を棚卸しし、どのデータを持ち、どこまで接続できるのかを把握しなければ、共同化やフィジカルインターネットに向けた連携の土台はつくれないという。
さらに佐久間氏は、LPD(ロジスティクス・プロデューサー)としての支援の在り方にも言及した。野村不動産が推進する物流課題の企業間共創プログラム「Techrum」(テクラム)やLandport横浜杉田での立体自動倉庫のシェアリングなどの取り組みを紹介し、設備投資や倉庫面積を波動に合わせて平準化する新たな拠点運用の可能性を示した。

▲YEデジタル物流DXシステム本部副本部長の浅成直也氏(左)
一方、浅成氏はWES(倉庫運用管理システム)を倉庫内の多様な設備やソフトをつなぎ、全体最適を実現する仕組みと説明した。自動積み付けやAI(人工知能)技術は進化しているものの、導入効果を左右するのは商慣習や荷姿、梱包サイズのばらつきといった前工程の設計であると指摘。積載率向上も一社単独での最適化ではなく、共同配送を前提としたユニット化や標準化をCLOが社内から推進する必要があると語った。
討議では、CLOが孤立せず、物流サービスプロバイダーなど外部の知見を活用しながら個別最適から全体最適へ段階的に進める重要性が共有された。さらに、KPI達成を支援する業務支援システムへの期待も示され、制度対応が運用設計とデータ活用の領域へ広がっていく方向性が浮かび上がった。
制度施行まで残された時間は多くない。CLO選任を前提とした実務的な準備を進める企業と、検討段階にとどまる企業との差が徐々に表れ始めている。

本セミナーは、会場で見られなかった読者向けにオンデマンド配信でも提供する。配信は2月18日から3月3日18時まで。事前登録制で無料。会場参加者にとってもおさらいとして活用できるほか、本編では触れきれなかった特典映像も収録している。さらに、視聴後アンケートに回答した参加者には、セミナーで使用した資料をプレゼントする予定だ。制度対応の整理や社内共有に活用できる内容となっている。
▼オンデマンド配信の申し込みはこちら
そして3月3日には、第8回物流議論と第3回CLOサロン特別回が開催される。制度論と現場論をつなぐ議論を、日本ロジスティクスシステム協会(JILS)総合研究所の北條英所長 フィジカルインターネットセンター(JPIC)の森隆行理事長の対談を軸に深掘りする。オンデマンド配信を前段として視聴しておけば、当日の議論をより実践的な視点で理解できるはずだ。
▼「第8回物流議論と第3回CLOサロン」申込ページはこちら
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