調査・データ三菱UFJ信託銀行は12日、不動産マーケットリサーチレポート「首都圏の物流不動産を『交通量×消費近接×供給』で読み解く」を公表した。物流施設需要の分析で一般的に用いられる交通量指標に加え、「消費地への近さ」と「供給余地」を重ねることで、賃料水準や供給動向の差が生じる背景を立体的に整理した。
レポートは、「物流量が多い場所ほど拠点需要が強い」という直感が必ずしも成り立たない点を出発点に据える。実際には、通過交通が多いだけでは拠点需要に直結せず、競合物件の供給状況や拠点の役割によって需給環境は大きく異なると指摘する。常磐自動車道や東北自動車道沿線の一部では、一定の大型車交通量が観測される一方、物流施設の供給が薄い区間が存在し、交通量だけでは市場を説明できない例として挙げた。
分析では、物流拠点が貨物を「とどめる理由」を消費起点、生産起点、ネットワーク(幹線結節)、ゲートウェイ(港湾・空港)の4つに整理。その上で、交通量スコア、消費地近接性(30分到達圏人口)、供給余地(消費地近接性/既存ストック)の3指標を組み合わせ、エリア特性を可視化した。交通量が同程度でも、消費地への近さや供給の厚みによって賃料の伸び方が異なる構図を示している。
例えば、厚木と川崎は交通量スコアが近いにもかかわらず、消費地近接性や供給環境の違いから賃料水準に差が生じていると分析。流山は消費起点に加え、生産起点の需要も見込める点で、都心近接型エリアとは異なる性格を持つとした。
同レポートは、単一指標ではなく複数の視点を併せ読むことで、物流不動産市場の「なぜ賃料が伸びるのか、伸びないのか」という理由を絞り込めると結論付ける。今後は、物流の付加価値を賃料上限の制約条件として捉え、未集積地での需要顕在化の条件を定量的に示す考えも示されている。
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