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いなげや、新業態店舗で発注を自動化、菱食とのVMI連携開始

2010年6月11日 (金)

フード富士通と富士通システムソリューションズは10日、富士通がデータセンターで運用している菱食の基幹システムの一部として、いなげやと菱食の店舗在庫最適化(VMI)支援システムを開発、稼働を開始したと発表した。

 

VMI支援システムは卸による小売の在庫管理を行うシステムで、小売が在庫情報を卸と共有し、一定の在庫量になるよう卸が自動的に在庫を補給する仕組み。

 

これにより、いなげやは必要な商品を必要な量のみ自動的に菱食から補給してもらうことができるようになり、在庫の圧縮と業務の効率化につながる。

 

いなげやでは、取扱いラインナップを定番商品に絞り、小規模な店舗とスリムな体制でEDLP(EveryDay Low Price)を実現する新業態店舗「ina21」の本格展開を進めているが、限られた店舗スペースと人数で、タイムリー・高精度な在庫管理を行う必要があるため、これまでのPOSの売上データを元に経験則で在庫発注を行う「食品流通業界の属人的な発注業務を見直す」ことが必要となっていた。

 

これを実現するため、いなげやと菱食は、アパレル、自動車業界、米国ウォールマートなどで在庫圧縮などの効果を生んでいるVMI支援システムを富士通などと共同構築し、ina21の市販用冷凍食品、アイスクリーム部門を対象に、練馬東大泉店と杉並桜上水店、練馬中村南店の三店舗で運用を開始したもの。

 

新システムは、菱食がいなげやina21に納入している商品について、いなげやのPOSの売上情報と在庫情報から補充すべき数量を算出し、菱食に発注すべき商品・数量を菱食の基幹システムに自動送信する機能を富士通のデータセンターで運用している菱食の基幹システムの一部として新たに開発。

 

季節変動などの需要の変化にあわせて、店舗側で補充数の変更なども可能。これにより、いなげやは、店舗在庫の適正化を実現し、タイムリーな商品提供、在庫管理・発注業務効率の向上、在庫管理スペースの削減が可能となった。また、菱食もいなげやのPOSの売上や在庫情報、補充すべき商品と数量をリアルタイムに参照できるため、想定外の短期需要への対応に伴う物流コストなどを削減することができる。

 

今後、いなげやは菱食とともに、現在16店舗のina21に順次、VMI支援システムを導入する方針。