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飯野海運 3月期決算は増収減益

2025年5月8日 (木)

財務・人事飯野海運は8日、2025年3月期の決算を発表した。売上高は前年比2.8%増の1418億6600万円、営業利益は同10.3%減の171億円、最終利益は7%減の183億6700万円と増収減益だった。

外航海運業セグメントの売上高は2.4%増の1175億100万円、営業利益は12.7%減の131億8400万円だった。大型原油タンカーは中国向け荷動きの低迷により年末にかけて軟調に推移したものの、米国によるロシアへの制裁強化を背景に上昇して堅調に推移。ケミカルタンカーは新造船の竣工が限定的であったことに加え、紅海周辺の治安悪化による迂回輸送により船腹需給が引き締まり、高い水準で推移したものの、第3四半期以降は中国の景気回復の遅れや競合するプロダクトタンカー市況の軟化などを受け徐々に弱含んだ。

大型ガス船のうち、LPG船はパナマ運河の通航制限の緩和などもあり、船腹余剰感からスポット運賃は前期と比べて低調に推移した。LNG船は新規プロジェクトの稼働開始の遅れや新造船の流入などによる船腹需給バランスの悪化を主因にスポット・定期用船ともに下落し、特に第3四半期以降は史上最安値圏に低迷。経営資源の有効活用および資産効率向上のため、LNG船1隻を売却した。ドライバルク船は中国経済の減速による輸送需要の減少もあり以降は軟調に推移した。ポストパナマックス型・ハンディ型を中心とする不定期船隊では、第2四半期までは好市況を享受した。

内航・近海海運業セグメントの売上高は10.4%増の113億4300万円、営業利益は2.5%増の4億5400万円だった。内航ガス輸送はプラントの修繕や内需の冷え込みにより荷動きが低調だったものの、船腹需給の逼迫により前期と同水準で推移した。また船隊整備のため、第4四半期に高圧LPG船1隻を売却し、代替船となる同新造船1隻が竣工した。近海ガス輸送は中国経済の回復鈍化により、プロピレンや塩化ビニルモノマーの輸送需要が低調であったものの、新造船の竣工は限定的であったことから、主力とするアジア域の高圧ガス船は引き続き堅調に推移した。

26年3月期の通期予想は、売上高は5.5%減の1340億円、営業利益は33.3%減の114億円、最終利益は37.4%減の115億円を見込んだ。

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LOGISTICS TODAY編集部
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