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5年後にグループ連結売上高1兆円へ

SBS鎌田社長「自動車関連物流の開拓を強化」

2025年6月30日 (月)

ロジスティクスSBSホールディングスの鎌田正彦社長は30日、ブリヂストン物流の連結子会社化を発表した後、本誌のインタビューに応じ、今回実施したM&A(企業の合併・買収)の経緯や目的、今後のM&A戦略などについて説明するとともに、5年後にグループ連結売上高1兆円の達成を目指す意向を明らかにした。鎌田社長との一問一答は以下の通り。

──ブリヂストン物流の事業収益性は現状、決して高いとは言えない。

「売り上げ、利益ともに改善できる余地は大きい。同社はこれまで親会社グループ向けの物流業務にほぼ専念してきたが、タイヤ製品だけでなく、完成車の組立工場やディーラー、カー用品店など共通する届け先に供給されている他の自動車関連部品の物流需要を開拓していけば、売り上げの拡大は十分に見込めるだろう」

「利益の確保についても、例えば、現在は同じ届け先にトラックの積載率が低い状態で1日に4回もタイヤ製品を運んでいたりするが、こうした取引先との間にある過去からの商慣行などを見直していけば、コストの効率化が進むと見ている。倉庫での荷役もいまは手作業が中心だが、マテハン機器やロボットを上手に活用すれば、確実に省力化・省人化につながる。そのための設備投資は惜しまず、積極的に実行していくつもりだ」

──近年、グループ全体として自動車関連産業を対象にした物流受託が伸びている。

「古河電気工業の物流子会社だった古河物流(現SBS古河物流)や、日本精工の物流子会社だったNSKロジスティックス(現SBS NSKロジスティックス)がグループに加わったこと、そして持分法適用会社である完成車輸送を手がけるゼロ、さらに今回のブリヂストン物流を合わせると、自動車関連だけで売り上げは2000億円規模に達する。この領域の物流は今後も国内外で伸ばしていきたい」

「その一方で、重複業務の解消や物流の共同化などコスト効率を高める取り組みを並行して進めていく。自動車部品とタイヤを生産ラインにJIT(ジャストインタイム)納品する。完成車とタイヤを一緒にディーラーまで運ぶ。そんな様々な組み合わせで物流の仕組みをデザインできる体制が整いつつある。それが今後当社グループの強みとなっていくはずだ」

──今回のM&AでSBSグループの連結売上高は5000億円を突破する。

「グループ各社がそれぞれトップラインを上げていくことはもちろん大事だが、事業拡大のスピードをさらに加速させていくためにはM&Aが最も有効な手段だと考えている。M&Aで仲間入りした会社をグループ傘下にただぶら下げておくのではなく、きちんとテコ入れして事業を成長させるとともに、社員の雇用を守る。売却先としてSBSを選んで正解だったという事後の評価が、その後に各方面から寄せられるM&A案件の呼び水となっている。この先もM&Aに積極的に取り組み、5年後には連結売上高1兆円を達成したい」

SBSHD、ブリヂストン物流を連結子会社化

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