調査・データ帝国データバンク(TDB)は21日、熱中症対策に関する企業の実態アンケートの結果について発表した。同調査はインターネットにておこなわれ、全国1568社から回答を得た。
「熱中症対策の義務化」について尋ねたところ「詳しく知っている」と回答した企業は15.6%、「なんとなく知っている」は39.5%だった。合計すると今回の義務化を「認知している」企業は55.2%となった。一方「聞いたことがある」は18.6%、「知らない」は26.3%だった。
「認知している」企業の割合を業界別にみると「運輸・倉庫」は52.1%と比較的高水準だった。最も割合が多かったのは、作業環境上、義務化の対象となることが多い「建設」の79.3%だった。
熱中症に関連する言葉の認知について尋ねたところ「熱中症警戒アラート」という言葉を「詳しく知っている」企業は21.4%、「なんとなく知っている」は58.5%。合計すると「認知している」企業は79.9%だった。「聞いたことがある」は14.6%、「知らない」は5.5%だった。「WBGT(暑さ指数)」という言葉を「認知している」企業は54.8%となった一方で、「聞いたことがある」は24.2%、「知らない」は20.9%であり、認知度が比較的低い結果となった。
熱中症対策について尋ねたところ、何らかの対策を行っている、または検討している企業は95.5%だった。対策を行っている企業のうち「クールビズの実践(制服や作業服の変更などを含む)」が70.5%でトップ。次いで「扇風機やサーキュレーターの活用」(60.7%)、「水分・塩分補給品の支給」(55.7%)、「ファン付きウェアやサングラスの活用」(36.9%)、「空調設定の見直し」(30.4%)と続いた。一方で「臨時休暇の設定」(2.9%)や「営業(就業)時間の短縮」(3.9%)、「リモートワークの強化」(6.3%)など稼働時間・柔軟な働き方に関する対策は低水準にとどまった。
6月1日からの義務化の措置に該当する対策をみると「熱中症予防・重篤化防止の学習と周知」は23.1%、「熱中症に関する報告体制の構築」(15.2%)、「搬送先など緊急連絡先の周知」(13%)、「職場巡視やバディ制、ウェアラブル機器などによる熱中症の把握」(4.8%)といずれも低水準であり、「熱中症の把握・対処」に関連する対策の実施割合が低い傾向となっている。
同社の分析によると、近年の気温の上昇を受け、今後の熱中症対策の強化を課題に考える企業は少なくない。しかし「エアコンの新規導入を考えているが、設備投資額が大きいため、補助金を活用できないか情報収集している」など対策を強化したいものの、費用面がネックになっている様子もうかがえた。
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