調査・データ肥料メーカーの片倉コープアグリは8月29日、2034年を最終年度とする中長期成長戦略を発表し、主力の肥料事業の収益力を高めるため、工場再編などの構造改革に取り組むとともに、化学品事業を新たな収益の柱と位置づけ、事業拡大を図るとの方針を明らかにした。肥料事業では全国にある15工場を9工場に集約する。
同社によると、肥料事業はこれまで新たな価値創出や付加価値向上が進まず、全国展開による量的拡大の事業戦略から脱却できなかった。それにもかかわらず、肥料事業への資金配分が偏重し、化学品事業など新たな成長領域への資金投入が不足しており、今後、収益力を高めるため、肥料事業の構造改革を図るともに化学品事業など新たな領域の強化を図ることにした。
肥料事業の改革では、現在15か所ある工場のうち、門司工場を廃止。秋田、大越、つくば、名古屋、山川の各工場も一部製品を除いて、生産を停止し、販売物流拠点に転換する。これによって生産拠点は9工場に集約されるが、自働化や効率化への投資を行って生産性を高め、供給の安定性や顧客への利便性は確保するとしている。
今後、25年度中に各工場で生産体制の移行を進め、26年度に秋田工場を除く4工場での生産を終了。秋田工場も27年度に生産を終了する。
肥料工場の再編を進める一方、植物や土壌に良い生理状態をもたらす物質や微生物「バイオスティミュラント」(BS)分野に本格参入するほか、土壌診断サービスやセンサーを使った農業支援サービスなどを開発。「農業ソリューションカンパニー」への進化を目指すとしている。
また、化学品事業では、化粧品原料の開発やプラスチックの代替材料となる新素材「合成マイカ」の活用、さらなる市素材の開発などに注力する。
これらの改革によって、30年には売上高520億円を達成し、24年度実績で3億円だった純利益を、34年度には20億円以上にまで伸ばすとしている。
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