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世界の産業オートメーション市場を日本がけん引

2025年9月19日 (金)

調査・データカナダの調査会社、エマージェンリサーチは18日、世界の産業オートメーション市場の規模は2022年に2105億米ドルに達し、32年には4786億8000万米ドルに達するとの予測を公表した。この間の年平均成長率は8.6%と見込まれる。

産業オートメーション市場は、人工知能(AI)や機械学習、モノのインターネット(IoT)、ロボットシステムなどの先進技術の統合によって、大きな成長を続けている。

特に日本は世界的なリーダーとしての地位を確立しており、24年の市場規模は151億米ドルと推計され、33年には352億米ドルに達すると予測されている。この間、年平均9.8%とで成長すると見込まれる。

日本では人件費の上昇と高齢化による労働力の減少に対応するため、製造業を中心に自動化への関心が高まっている。政府も22年から40年にかけて労働力が12%減少すると予測しており、こうした変化に対応した結果、25年までに製造業の81%が自動化されると見込まれている。

既に、日本は製造業従業員1人当たりのロボット密度が世界で最も高く、21年時点で製造業の1万人あたり約631台のロボットが導入され、全体で30万台以上の産業用ロボットが稼働している。業界別に見ると、自動車業界は年間ロボット導入数の25%を占め、電気・電子業界では24年に1万4000台の産業用ロボット導入が計画されるなど、市場をリードしている。

政府も政策や財政支援策を通じて、産業オートメーションを積極的に支援しており、人工知能やビッグデータ、IoT技術へ多額の投資が行われている。最近では先端半導体開発とAIイニシアチブを支援するために1兆5000億円規模の予算が計上された。

製品別では、センサーが市場をけん引し、24年には31億2000万米ドルの収益を上げ、高い成長率を見せている。自動化の形態としては、半自動化が90億5000万米ドルの収益を上げ、完全自動化も最も高い成長率で売り上げを拡大している。

世界の地域別に見ると、北米が最大の市場シェアを維持しているが、今後、欧州が最も高い成長率で拡大していくと予想される。欧州は、5Gインフラへの投資の大幅な増加と、地域全体のデジタル変革に向けた欧州連合(EU)の財政的・政策的支援によって直実に成長を遂げていく。

アジア太平洋地域は24年に39%のシェアを占め、世界の製造業の拠点となっている。特に自動車やエレクトロニクス、医薬品、食品加工などの主要セクターで需要が急増しており、人手不足への対応や精度向上、競争優位性の維持のために包括的な自動化システムの導入が進んでいる。

同社は今後の見通しについて、「産業界が効率性、精度、コスト最適化を優先し続けるなか、市場は持続的な拡大が見込まれる。日本はイノベーションや技術革新、卓越した製造業でリーダーシップを維持していくだろう」としている。

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