調査・データ帝国データバンク(TDB)は26日、ことし1年間の飲食料品値上げは、計2万609品目で、2年ぶりに2万品目を超えたものの、来年は4月までの判明分で3593品目となり、昨年同時期の見込みに比べて大幅に下回ったとするレポートを公表した。来年は2022年以降で最も少なかった24年と同水準で推移すると見込まれる
主要な食品メーカー195社の家庭用を中心とした食品で、ことしの値上げ品数は累計2万609品目となり、前年の1万2520品目から64.6%増となった。月間1000品目を超える水準が常態化し、コストプッシュ型の一時的な物価高から、持続的な物価上昇・値上げへと転じた兆候がみられる1年となった。
ことしの値上げを月別にみると、4月まで1000品目を超える月が続き、1月は、食パンや菓子パンで2年ぶりの一斉値上げとなった。3月は2000品目を超え、冷凍食品のほかラーメンなどのチルド麺、バターやチーズなど乳製品で値上げが目立った。4月には、23年10月以来1年半ぶりに月間4000品目を超える大規模な値上げラッシュとなり、調味料や酒類、米の価格高騰を受けたパックご飯など、値上げ対象は広範囲に及んだ。その後も7月にはカレールーなどの香辛料、10月も焼酎や日本酒などアルコール飲料を中心に一斉値上げとなった。
来年1月から4月までに値上げが決定している飲食料品は、冷凍食品のほかコメ製品、マヨネーズなど鶏卵製品、酒類など幅広い食品分野で3593品目が明らかになっている。昨年12月時点で判明したことしの値上げ予定品目数が6121品目だったのに対し、現時点での来年の値上げ品目数は4割減少した。月4000品目を超える大規模な値上げラッシュは来年春にかけて発生しないと見込まれるものの、1000品目前後の値上げは常態化するとみられる。
1回当たりの値上げ率平均は14%で、ことしと同等か、さらに下回る水準で推移する見通しとなった。
来年1-4月間の値上げを食品分野で見ると、「調味料」の1603品目が最も多く、マヨネーズやドレッシング、みそ製品などの値上げが目立った。「加工食品」は947品目で、冷凍食品やパックご飯、即席めん製品など多岐にわたる。「酒類・飲料」は882品目で、清涼飲料水ではPET緑茶製品や果汁飲料、アルコール類では焼酎などが中心となる。
値上げの理由については、「原材料高」が99.9%で、4年連続で値上げ品目全体の9割を超えた。トラックドライバーの時間外労働規制などによる輸送コストの上昇分を価格に反映する「物流費」由来の値上げも61.8%と、高い水準で推移している。
最低賃金の引き上げや定期昇給など賃上げによる影響を含む「人件費」由来の値上げも66.0%に達し、過去最高となった。「包装・資材」も81.3%で過去最高となり、段ボールなど梱包材・緩衝材のほか、プラ製フィルムなど幅広い資材での価格上昇が値上げの要因となっている。
同社は「来年5月以降も物流費や賃上げによる人件費増など原材料高以外の要因を背景に、粘着質な値上げトレンドの継続が見込まれる。通年では、24年と同水準の年1万5000品目前後に到達する可能性がある」としている。
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