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中国の国内物流総量、1-8月は5.2%増

2025年9月29日 (月)

調査・データ中国物流購買連合会は29日、1月から8月の物流業務分析について発表した。

国内の物流総量は22兆9400億元に達し、前年同期比5.2%増と堅調に推移した。季節要因の影響を受けつつも、8月の物流総量の増加率は前月比で変動幅が縮小し、産業チェーンとサプライチェーンの相乗効果が高まり、物流需要全体が安定した成長傾向を維持した。

工業製品物流は同5.5%増となり、1月から7月と比較して0.2ポイント減少した。特に設備製造業の物流需要が大きく寄与し8.1%増加。そのほか電子(9.9%増)、電機(9.8%増)、自動車(8.4%増)が大きく伸びた。アナログチップや産業用ロボットなどハイエンド製品の物流量も15-50%増と高成長を示した。消費者向け物流もオンライン消費やライブ配信EC(電子商取引)の活況を背景に6.5%増加。農村ECの拡大も寄与した。

消費者物流は企業・家庭向け物流が6.5%増で回復。インスタントリテールやライブ配信ECは2桁成長を維持し、全国オンライン小売(実物商品)売上も6.4%増となった。農村部の物流・商業施設の継続的な整備が、下位市場と農村ECの同時回復をけん引。8月の農村EC物流指数は131.7ポイントとなり、前月より0.2ポイント上昇した。

一方、輸入物流は全体で1.9%減少したが、8月単月では前年同月比1.9%増となり3か月連続で緩やかな増加となった。商品別では鉄鉱石・精鉱が同1.6%減、石炭・亜炭が6.9%減となったものの、工作機械や集積回路は堅調に拡大し、果物や化粧品といった消費財の輸入もプラス成長を維持した。

物流市場全体の規模でみると供給面では、総収入が前年同期比4.6%増の9兆4000億元となった。1-8月の平均中国物流業界活況指数は50.6%となり、物流会社の新規受注指数は7か月連続で好調を維持した。構造面では、鉄道輸送などの物流サービスのモデルチェンジとレベルアップが進むとともに、電子商取引の速達便などの新しい物流サービスが引き続きけん引した。

鉄道輸送では、1月から8月にかけて中央アジア貨物列車が計9626本運行され、同期間の新記録を樹立した。港湾では8月の税関入出港船舶取扱量が前年同月比5.5%増加。上海港の8月のコンテナ取扱量は502万TEU超で月間過去最高を記録し、寧波港のコンテナ取扱量は初めて400万TEUを超えた。航空貨物は越境ECなどの需要に牽引され、国際路線網が強化された。国際貨物・郵便輸送量は前年同期比22.6%増加、8月単月でも19.9%の高い伸びを維持した。

物流サービス価格は競争の激化を抑制するための政策が複数導入され、一部の分野で価格改善の兆しが見られた。海上輸送では石炭供給と在庫補充のピークを過ぎ、鉄鋼業界がピークシーズンに備えて鉄鉱石の早期補充に取り組んだため輸送サービス価格の上昇につながった。8月の平均沿岸(バルク)総合貨物指数は1070.1ポイントで、前月比3.3%上昇。道路輸送では新エネルギー大型トラックへの買い替えが引き続き進み、運賃は概ね安定した。中国高速道路物流貨物指数は、8月の平均で105.1ポイントで、前月比0.01%上昇。宅配便業界では8月の宅配便1個当たりの平均価格は前月比0.01元増にとどまり、やや安定した。

同連合会によると1-8月の物流業界は、主要企業・小規模事業者ともに回復力を示し、業務モデル革新や複合一貫輸送で効率と収益を改善した。業務収入は前年同期比4.4%増で安定し、コストも低下。第4四半期は繁忙期で需要増が見込まれる一方、国際情勢リスクへの対応も課題となると分析した。

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