ロジスティクス包装機器メーカーの千代田興業(東京都中央区)は、東京ビッグサイト(江東区)で7日から10日まで開催される「JAPAN PACK2025日本包装産業展」で、自走式ストレッチ包装機「R4 PLUS」を展示した。パレット上の荷物をフィルムで巻き上げる工程を自動化するもので、多品種小ロットの出荷や限られたスペースでの包装作業に適した構造を備える。
R4 PLUSは、韓国メーカー・ミョンシンのモデルを千代田興業が国内販売する自走式のストレッチ包装機。進行方向に設けられた4つのセンサー(人感1基・赤外線3基)によって周囲の状況を検知し、巻き上げ対象の周囲を自動走行しながらフィルムを巻き付ける。

▲千代田興業が展示した自走式ストレッチ包装機「R4 PLUS」は限られたスペースでも安定したラッピングを実現
同社東京支店営業部マネージャーの明石友和氏は「荷物を置くだけで、あとは機械が自走してラッピングする仕組み。異なる大きさ、形状の荷物にも対応でき、安定した巻き上げが可能」と説明する。設定変更を必要とせず、巻きの厚みやテンションを簡単に調整できる点も特長だ。
同社では従来機「R4」から改良を加え、現在はタイヤ径を大型化したR4 PLUSに統一している。従来モデルでは段差のあるパレット上で走行が不安定になるケースもあったが、R4 PLUSでは大型タイヤを採用することで、段差の影響を受けにくく、滑らかな走行を実現したという。
「小規模な倉庫や出荷場では、床面が完全にフラットでない場所も多い。そうした現場でも確実にラッピングできるようにした改良版」なのだという。
このR4 PLUSは、パレットを回転させる大型ターンテーブル型とは異なり、現場に固定設備を必要としないモバイル型包装機。「同じ形状の荷物へのラッピングを連続して扱う場合は固定機が効率的だが、出荷サイズや形が頻繁に変わる現場ではR4 PLUSのような可搬式の方が便利」と明石氏。
1台あたりの価格はおよそ200万円(別途運送費が必要)。完全な無人化ではないものの、巻き始めさえセットすれば作業者はより高付加価値な作業と並行で従事できるため、省人化と作業効率の両立が可能。「梱包頻度が高い現場では、すぐに導入効果が出る価格帯だ」という。
R4 PLUSは、2024年から本格的に展示会出展を開始した新モデルで、すでに紙加工業や食品関連メーカーを中心に国内で数台が導入済み。出荷物の形状が日々異なる現場や、スペース制約のある小規模倉庫で特に好評だという。
「多品種小ロット・不定形貨物を扱うEC事業者や中小物流倉庫に最適なモデルとして提案している。必要なときにどこでも使える“動く包装機”として、今後の普及を見込む」と明石氏は展望を語った。
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