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Gメン44人動員、過去最大の合同荷主パトロール

2025年10月28日 (火)

行政・団体国土交通省と公正取引委員会は28日、東京都内で「物流・トラックGメン合同荷主パトロール出発式」を実施した。全国から44人が集まり、Gメン発足以降で過去にない規模の合同パトロールに臨んだ。

▲荷主企業を訪問する物流・トラックGメン

国交省の岡野まさ子・大臣官房総括審議官は、長時間の荷待ちや不当な運賃据え置きの是正をの必要性を訴えた。また、「法令順守の必要性を明確に示す行動」として、公取委との全国規模の連携の意義を強調した。

▲出発式冒頭で挨拶する国土交通省の岡野まさ子大臣官房総括審議官

続いて挨拶した公取委の向井康二・官房審議官は、価格転嫁の商慣習化と法執行の強化を掲げ、2026年1月施行予定の「中小受託取引適正化法」(取適法)の運用に言及。国交省との連携で実効性を高める考えを示した。

パトロールは都心部を10エリアに分けて実施。対象となる企業は、建設・土木関係、鉄鋼関係、小売関係、食品・飲料関係、機械・化成品など製造、元請けトラック事業者、そのほかの物流事業者など。本誌記者が同行した班は、都心・新宿エリアを担当し、生活協同組合系の卸売会社、ホームセンター、家電量販店、アウトドアアパレルブランド、住宅メーカーなどを巡回した。各現場では、契約書面化や価格転嫁、荷待ち削減の取り組み状況について確認が行われた。

同行班では、ある事業者に対し、過積載や付帯作業の強要、運賃交渉拒否などの「荷主起因行為」の未然防止を目的に、最新制度の概要を説明。契約書の相互交付義務や実運送体制管理簿の整備状況などを確認し、担当者からは「契約再締結や社内周知を進めている」との声があった。

▲法制度の説明と対応の聞き取りをする物流・トラックGメン

また、住宅メーカーからは、建材搬入の際の課題として「住宅街では長時間の車両待機が近隣の苦情につながるため、受け入れ時間を分単位で管理している」との説明があり、施工管理者や運送会社との情報共有を密に行っていることが紹介された。

パトロールは原則として予告なしで実施される。そのため、訪問先で担当者が不在となり面談に至らない場合もあるが、現場の実態を把握するための意義は大きい。立ち話で要点を確認するケースから、会議室で法制度や課題を丁寧に話し合うケースまで、現場の対応は多様だった。各社では、運送契約の書面化、価格転嫁の進ちょく、実運送体制管理簿の整備状況などについて意見交換が行われた。

今回の合同パトロールは、10月からの集中監視月間の一環として行われた。国交省と公取委は、現場訪問を通じて改正法の周知と順法意識の浸透を図り、運送事業者が適正な運賃を受け取れる環境整備を全国的に進めていく方針だ。(土屋悟)

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