荷主日野自動車は29日、「Japan Mobility Show 2025」のプレス向け内覧会で、国内初となる燃料電池(FC)大型トラック量産モデル「日野プロフィア ZF-CUV」を公開した。同社の小木曽聡社長は「私たちは今、信頼回復と新たな進化に向けて動き出している。良い商品で社会とお客様に応えていく」と述べ、事業再建とモビリティー変革の両立に意欲を示した。

▲「ポンチョドット」のコンセプトを紹介する日野自動車の小木曽聡社長
同氏は冒頭、カーボンニュートラル(CN)やデジタル化をはじめとする構造変化に触れ、「人と物の移動の形がかつてないスピードで変化している」と指摘。一方で、エンジン認証不正問題を経て「お客様にとって頼れる存在であり続ける」との決意を語った。「いい商品とは単なる性能や技術ではなく、社会課題を解決する誠実なものづくりの結晶」と強調した。
展示では、2026年発売予定の新型「日野セレナ」「日野レンジャー」を披露。「品質・耐久性・信頼性」(QDR)を追求する姿勢を改めて示し、ダカールラリー参戦車両も展示して技術力をアピールした。また、点検・整備から部品供給までを網羅したトータルサポート体制を説明し、「販売会社を含むグループ総合力で、お客様の稼働を止めない支援を続ける」とした。

▲同社のダカールラリー参戦車両
物流の2024年問題にも対応を進めており、国交省と連携する「自交会自主行動計画」に基づき、入退場時の荷待ち荷役の可視化を推進。トラックに標準搭載するICTサービス「日野コネクト」の位置情報を活用した入退場管理システムを導入し、ドライバー負担を軽減している。「追加作業を求めることなく、ビジネス効率化を支える」と小木曽社長は述べた。
カーボンニュートラル実現に向けては、マルチパスウェイの考え方を軸に内燃機関と電動技術を両立。10月に発売した「日野プロフィア ZF-CUV」は、古河工場でディーゼル車と同一ラインで生産されるFC大型車で、量産化を視野に入れた設計とした。小型電動トラック「日野デュトロ ZV」も2022年の発売以来、累計1600台を突破。グループ会社キューブリンクスによるエネルギーマネジメント提案を通じ、商用EVの運用効率化を支援している。

▲デュトロZEVは運転席から荷室にウォークスルーでアクセス可能
また、地域の移動課題に対応する新コンセプトカー「ポンチョドット」(Poncho.)を紹介。高齢化や人手不足が進む地方において、自治体や交通事業者と連携し、地域住民が助け合って移動を支える仕組みを目指す。「ポンと乗ってちょこっと行く」というコンセプトを名前に込め、「人と物の移動を地域の力で持続可能にする新しい公共交通の形」と位置づけた。
小木曽社長は最後に、「人と物の移動を支え、豊かで住みよい未来に貢献する。そのためにお客様のビジネスを起点に考える」と述べ、「仲間とともに商用車の未来を創り続ける」と締めくくった。
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