ロジスティクス全日本空輸(ANA)とナッシュ(大阪市北区)は1日、冷凍食品輸送で旅客便の昼間帯に生じる床下貨物スペースを活用した新たな空輸スキームの運用を開始した。需要が低い時間帯を中心に積載効率を高め、輸送単価を抑えることで、北海道・沖縄向けの送料を最大557円引き下げる。ANAが推進する、旅客便の空きスペースを物流に活用する「新モーダルシフト」の具体的な成果となる。

(出所:全日本空輸)
両社はこれまでもANAの保冷コンテナ貸与により、積み荷から空港搬入までをナッシュ側で一貫運用する体制を構築してきた。今回の協働では、北海道向けは従来の早朝直行便から羽田経由の昼間便へ切り替え、沖縄向けは昼間便の積載効率を改善。いずれもコスト低減に直結し、地域で割高となりがちな配送費の是正につなげた。
ナッシュは独自の物流システムにより、日々変動する出荷量に合わせて最適な便を選択する仕組みを導入。積載効率100%の運用を目指し、需要予測を踏まえた出荷タイミング調整によって、コスト最適化と供給の安定化を両立させている。
使用する保冷コンテナは高断熱仕様で、工場から一定温度で輸送可能。工場-倉庫-空港の一貫コールドチェーンにより、天候や季節変動の影響を受けにくい高品質な冷凍輸送を確保する。
ANAは物流2024年問題への対応として旅客便の空きスペース活用を強化しており、今後も長距離・高頻度の旅客便ネットワークを活用した輸送モデルの拡大を目指す。ナッシュは航空輸送の高度化により地域格差の縮小を進め、継続利用しやすい価格設定につなげる。
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