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日本の無人航空機市場、33年に60億ドル規模へ

2025年12月23日 (火)

調査・データReport Ocean(レポート・オーシャン、東京都中央区)は19日、日本の無人航空機(UAV、ドローン)市場に関する最新レポートを発表した。レポートによると、同市場は2024年の14億1000万ドルから年平均成長率(CAGR)13.33%で成長し、33年には60億ドル規模へ拡大する見通し。

無人航空機は、地上から制御可能な内部コンピューターと先進的な空力構造を備え、特定のナビゲーションシステムを用いて多様な任務を遂行する。日本市場の成長をけん引しているのは、監視や点検分野での活用拡大だとみられている。高精度カメラや各種センサーを搭載したUAVは、危険地域やアクセスが困難な場所でも安全かつ効率的な監視を可能にしており、国境警備や森林監視、電力設備の点検、建設現場での地形調査などで導入が進んでいる。NTTコミュニケーションズ(現:NTTドコモビジネス)と大林組による実証実験では、UAVを用いた巡回業務の時間短縮が確認され、作業効率の大幅な向上が実証された。

一方で、市場拡大の課題として、日本の厳格な規制環境が指摘されている。人口密集地での飛行や目視外飛行(BVLOS)、夜間運用には厳しい制限があり、特別な許可が必要となる。このため、物流・配送や都市インフラ管理などの商業分野では導入のハードルが高く、許認可取得に伴う時間やコストは中小企業やスタートアップにとって大きな負担となっている。

こうした状況を踏まえ、日本政府はUAVの経済的価値に着目。規制緩和や研究開発への資金提供を進めており、都市部や農村部での実証実験やパイロットプロジェクトへの支援も拡充されている。これにより、無人航空機の商業利用が加速することが期待されている。

今後の焦点として、BVLOS許可や空域統合政策などの航空規制の動向が市場の拡張性に与える影響に加え、物流、農業、インフラ点検、防衛分野からの需要の持続性、AI(人工知能)や自律飛行技術の進展による競争環境の変化を挙げている。また、Drone as a Service(DaaS)などのサービス型ビジネスモデルの拡大や、サイバーセキュリティー、データプライバシーへの対応、国内製造能力の強化と国際的な技術連携が、日本の無人航空機市場の長期的な成長を左右する重要な要素になるとしている。

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