環境・CSR東洋製罐グループの包装容器メーカー、東罐興業(東京都品川区)は24日、当社グループが参画する「クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス」(CLOMA)の活動の一環として、神戸市で2026年1月からヨーグルト・アイスクリームの紙容器を回収しリサイクルする実証実験を行うと発表した。ヨーグルトやアイスクリームなどの紙容器は、防水加工されていることから、リサイクルが難しく、古紙回収の対象外となっていることが多い。
CLOMAは海洋プラスチックごみ問題の解決に向けて官民連携で協力しようと2018年に設立された。プラスチック製品のリサイクルや代替素材の開発・普及などに取り組んでいる。
東罐興業はこれまで、イベント会場で排出された紙コップなどの紙製食品容器の回収に取り組んできたが、一般家庭から排出される紙製食品容器を対象とした取り組みは、今回が初めてとなる。
実証実験を行うのは、神戸市が運営する資源回収ステーション「エコノバ」で、現在、市内66か所に設置されている。各地域で運営され、トレーやペットボトル、びん、プラチック容器などを回収しており、使い捨てカイロや使用済み食用油の回収の実証実験なども行っている。
今回、回収に取り組むヨーグルトやアイスクリームなどの紙容器は、防水加工が施されているうえ、食品が残っていることが多いため、処理が難しく、牛乳パックや古紙と比較して、リサイクルの取り組みが遅れている。このため、実証実験を通じて、紙容器の回収方法やコストなどを検証することになった。
実証実験は来年1月6日から3月31日までで、同市長田区と中央区の2か所に専用ボックスを設置。各家庭から、洗浄し、乾燥させた使用済み紙製容器を持ってきてもらう。
回収された紙製食品容器は、大本紙料(神戸市東灘区)で破砕・洗浄し、「ベール」と呼ばれる紙の塊に加工された後、日誠産業(徳島県阿南市)でリサイクルパルプへと再生される。実証実験では、回収物の品質や数量、回収・処理費用のほか、市民への効果的な告知・啓発手法などについて検証する。
ことし11月にエコノバで実施された地域イベントで、来場者にヨーグルトを配布し、紙容器の回収に関するアンケートを行ったところ、「ヨーグルトやアイスクリームの紙カップを洗ってリサイクルに出したいか」という問いに対し、98%から肯定的な回答があった。
同社は「実証実験で得られた成果や課題を踏まえ、回収ネットワークの拡大を図るとともに、地域産業やブランドオーナーとの連携方法を検討し、紙製食品容器の回収と再製品化を日常的な資源循環の取り組みとして定着させていきたい」としている。
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