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他社車両に“バトン”を渡す夜、ドライバー交替輸送を追う

福通と西濃、特積み幹線で中継輸送の現場検証

2026年2月2日 (月)

ロジスティクス物流コンソーシアム「baton」(バトン)は1月30日、セイノーホールディングス傘下の西濃運輸(岐阜県大垣市)と福山通運による、特積み幹線輸送におけるドライバー交替方式での中継輸送実証運行を行った。

▲福山通運藤沢支店に並ぶ福山通運と西濃運輸の車両(出所:baton)

同実証は、東京海上ホールディングスが発起人となり設立された「物流コンソーシアムbaton」の活動の一環として実施されたもの。宿泊を伴う長距離運行を、中間地点で他社のドライバーと車両を「乗り換える」ことで日帰り運行へと転換し、物流業界の喫緊の課題である労働環境の改善を目指す。

▲車両を交換して運行する両社ドライバー(出所:baton)

実証運行は1月30日の夜から翌31日の早朝にかけて実施された。まず30日19時ごろに西濃運輸の車両が大阪・堺支店を出発し、20時ごろには福山通運の車両が神奈川・藤沢支店を出発。23時から24時にかけて中継地点となる西濃運輸・浜松支店へそれぞれが到着した。到着後、両社のドライバーは互いの車両の点検や操作方法の確認を行い、点呼を経て自社ではない他社車両に乗り換えて再出発した。

▲中間点呼の様子(出所:baton)

その後、31日の5時から6時にかけて、西濃運輸の車両は福山通運のドライバーが運転する形で厚木支店へ、福山通運の車両は西濃運輸のドライバーが運転する形で堺支店へと到着し、荷下ろしや点呼を経て一連の実証を完了した。この運行管理には、運輸デジタルビジネス協議会(TDBC)発でtraevo(トラエボ、東京都港区)が運営する車両動態情報統合管理プラットフォーム「traevo Platform」(トラエボプラットフォーム)を活用。異なる企業の車両でありながら、リアルタイムで走行位置を特定・把握できる体制を整えた。

▲福山通運の車両説明を受ける西濃運輸ドライバー(出所:baton)

中継地点の浜松支店で行われたメディア向け取材において、西濃運輸の担当者は、今回の実証に向けた入念な準備を強調。特に、他社車両を運転するドライバーの心理的・身体的負担を考慮し、「今回の実証に向けて多くの確認事項や調整を行ってきた。特に車両の違いに関しては、できる限り同一仕様のものを選定することで、ドライバーへの負担やリスクを低減すべく調整している」と述べた。

▲運転席に掲出された、相互使用車両であることを示す看板(出所:baton)

今回のドライバー交替方式による中継輸送が実用化されれば、若年層にニーズの高い日帰り運行が可能となる。これにより、家族と過ごす時間をより多く確保したい層や、体力的に宿泊を伴う運行が厳しくなってきたベテランドライバーなど、幅広いニーズに応える新しい運行形態が提示できる。結果的に、ドライバー職の魅力向上や従業員のエンゲージメント向上、ひいては深刻化する若年層ドライバーの確保につながることが期待されている。

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