話題2018年、東京建物が物流の世界に足を踏み入れた。7年で「T-LOGI」(ティーロジ)は国内外46拠点を擁する一大ネットワークに成長した。ドライ倉庫から始まり、冷凍冷蔵、危険物倉庫へと領域を広げてきた。参画からわずか7年で40を超えるプロジェクトが遂行している。それは単なる数字ではない。市場が下した評価、確かな信頼の証しだ。

▲「T-LOGI仙台」。延床面積4万2351平方メートル(約12,800坪)、地上4階建て、仙台エリアでは希少な「4層スロープ型」を採用
さらに、26年6月、杜の都・仙台に、東北物流の新たな顔となる「T-LOGI仙台」が姿を現す。東京建物ロジスティクス事業部管理グループ兼リーシンググループの中川洋鷹氏とロジスティクス事業部事業グループの八巻侑外氏、2人の語り口からは、この施設に込められた静かな自信と、東北物流の明日を見据える確かな眼差しが見て取れた。
「とどける人の力になる。」新コンセプトに込められた想い
T-LOGIシリーズの躍進を支えるのは、一本筋の通った揺るぎない思いだ。ただ箱を貸すだけの商売ではない。2024年、同社はブランドコンセプトを「とどける人の力になる。」へと刷新した。
物流を取り巻く風景が一変する時代にあって、顧客が本当に求める施設とは何か。その問いに向き合い、同社は4つの柱を立てた。(1)対話を重ねる(2)利便性の高い立地を厳選する(3)最適な施設をご提供する(4)次世代の環境を見据える。これらすべてに一切の妥協を許さない姿勢こそが、T-LOGIブランドの支柱となっている。
仙台市内では希少な「スロープ型」大規模拠点
その哲学が色濃く反映されているのが仙台市宮城野区で開発が進むT-LOGI仙台だ。延床面積4万2351平方メートル(約12,800坪)、地上4階建て。仙台エリアでは希少な「4層スロープ型」を採用した。中川氏は「仙台市、特に中心部に近いエリアで、これほどの規模でスロープを有する物件は非常に希少だ。一般的に地価が高い都市部では1階のみ接車可能なボックス型で、垂直搬送機やエレベーターで荷物を上げる傾向がある。しかしT-LOGI仙台は、1階と2階へ直接トラックがアクセスできる構造を実現した」と強調する。

▲「テナント様が日々使う現場の感覚を、私たちは何より大切にしている」と語る、東京建物ロジスティクス事業部管理グループ兼リーシンググループの中川洋鷹氏
1階と2階、双方にバースを配した設計は、荷の出し入れにおける無駄な動線を排除する。倉庫床は5458平方メートル(1,651坪)から区切って使える。各階に最大3テナントまで受け入れる柔軟さも併せ持つ。「エレベーターも垂直搬送機も、区画の広さに応じて配置のバランスを整えた。テナント様が日々使う現場の感覚を、私たちは何より大切にしている」という中川氏の言葉には実務者の矜持が滲む。
「2024年問題」の解となる圧倒的な地理的優位性
物流施設にとって、立地は生命線だ。その点において、T-LOGI仙台の地の利は揺るぎない。仙台東部道路・仙台港北インターチェンジ(IC)から2.6キロ。東北自動車道、常磐自動車道、三陸沿岸道路という3本の大動脈が交わる、まさに東北物流の心臓部に位置する。「仙台市中心部への配送はもちろん、東北全域、北関東までを射程に収める広域配送のハブ拠点として、これ以上ない立地だ」と中川氏は語る。

▲仙台東部道路・仙台港北ICから2.6キロ。東北自動車道、常磐自動車道、三陸沿岸道路という3本の大動脈が交わる、東北物流の心臓部に位置
中でも注目されるのが、物流業界が直面する「2024年問題」への対応力だ。ドライバーの労働時間に厳しい規制がかかる今、長距離輸送の中継地点として、この施設の価値が大きく注目されている。「首都圏から仙台までは、ドライバーの労働時間を考えれば日帰り配送のギリギリのライン。ここで荷を積み替え、北へと送り出す。あるいは仙台港や貨物ターミナル駅と連携して、トラックから鉄道や船へとバトンタッチするモーダルシフトの要衝としても機能する」と中川氏は語る。
工業専用地域に身を置くため、24時間365日、時計の針を気にせず動き続けられる。近隣への騒音を憂うこともなく、オペレーションに没頭できる。この自由さは、物流事業者にとって何物にも代え難い強みのはずだ。
徹底したBCP対策と「オフィスビル品質」の労働環境
災害対策は抜かりない。東日本大震災の記憶は、この建物の骨格に刻まれている。電気室受電設備など心臓部は地上15メートル、3階の高さへ逃がした。「昨年末、近所の道路が冠水する豪雨があった。だが、ここは無傷だった」と中川氏。津波も洪水も想定し、非常用発電機の配置まで計算し尽くした。災いは忘れた頃にやってくる。ならば忘れぬうちに手を打つ。その覚悟が、この施設の土台を成している。
もう一つ、見過ごせないのが働く人への気配りだ。オフィスビルで名を馳せた東京建物の真骨頂が、ここにも息づいている。2階の共用ラウンジには無料Wi-Fiとコンセント。内装は空港ラウンジを思わせる洒落た仕上がりになる予定だという。

▲エントランス(左)と2F休憩室(右)
「私たちは元々、都心のビルを手がけてきた会社。一等地のオフィスで働く人も、郊外の倉庫で汗を流す人も、等しく快適であるべきと考える」という中川氏の言葉にはプロフェッショナルとしての誇りが滲む。マンションや大型オフィスビルの長年の開発実績とノウハウを生かし、トイレひとつ、休憩室ひとつにも手を抜かない。働く人が胸を張れる場所を作ることが、結果、テナントの人手不足解消や定着率向上につながる。そう信じて疑わない。
「対話」から生まれる最適解
「対話」──T-LOGIが掲げる看板に偽りはない。図面を引く前から顧客の本音を聞き出し、「そりゃ無理でしょう」と言われかねない難題にも知恵を絞る。土地探しから竣工まで現場を知り尽くす八巻氏は、こう振り返った。

▲ロジスティクス事業部事業グループの八巻侑外氏は『対話』を通じてお客様の理想を形にすること。それが私たちの最大の強み」と話す
「特殊な荷物を扱いたい、独自のレイアウトにしたいなど、お客様から難しいご要望をいただくことがある。ほかのデベロッパーなら断るような案件でも、私たちは『どうすれば実現できるか』を考える。ゼネコンや設計会社と協議を重ねて提案する。ハード面での差別化が難しい時代だからこそ、ソフト面での対応力が重要だ。つまり『対話』を通じてお客様の理想を形にすること。それが私たちの最大の強みだと感じている」
現在も、特定の保管要件を持つテナントに対し、一部の仕様変更や造作を提案している。画一的なスペックを押し付けない。オーダーメードのような対応を心がけているという。
今後も「立地」と「人」にこだわり続ける
東京建物は東北への目配りを怠らない。岩手県北上市では「T-LOGI岩手北上」を28年1月末に竣工予定である。東北道と秋田道が交差するこの地は、仙台と肩を並べる北東北物流の要だ。荷も人もここを通り、しばし息をつく。
「人口減少が叫ばれる東北エリアだが、物を運ぶという使命がなくなることはない。むしろ、効率化のために拠点の集約や共同配送のニーズは高まっていくだろう」と中川氏は分析する。今後の展望について問うと、両氏は「テナント様にとってベストな立地と環境を提供し続けること」と口をそろえる。

▲両氏は「テナント様にとってベストな立地と環境を提供し続けること」と口を揃える
「土地を買って建てて終わりではない。私たちにはそこで働く人々、荷物を受け取る人々の生活を支えるインフラを作っているという自負がある。これからもお客様との対話を重ね、選ばれる施設を作り続けていく」(八巻氏)
最新のスペックと強固なBCP、そして人への温かい眼差しを兼ね備えた「T-LOGI仙台」。26年の竣工に向け、東北の物流地図を塗り替える新たなランドマークとしての期待は高まるばかりだ。
所在地:宮城県仙台市宮城野区中野字掃沼27番1他(地番)
交通:仙台東部道路・仙台港北ICより2.6キロ/JR仙石線・多賀城駅より徒歩22分
用途地域:工業専用地域
敷地面積:1万8420平方メートル(約5,570坪)
延床面積:4万2351平方メートル(約12,800坪)(予定)
構造・規模:S造・地上4階建て(4層スロープ型/1・2階片側バース)
竣工:2026年6月(予定)
https://www.t-logi.jp/wp/wp-content/uploads/T-LOGI_sendai.pdf

















