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13年度決算、アジア・欧州間貨物増加で国際部門は増益

米UPS、12月の貨物急増対策で利益減少

2014年1月31日 (金)

財務・人事UPSは1月31日、13年第4四半期の業績を発表した。希薄化後1株当たり利益は1.25ドルで、前年同期に比べて0.07ドル減少した。12月の総配達個数が20%と急増したため、1日あたりの平均取扱量は6%増加したが、「予想を大幅に上回る貨物量と厳しい天候」が米国でのオペレーションコスト超過の原因となり、業績に影響を及ぼした。

第4四半期の1日あたり平均取扱量は2000万個で、通期取扱量は43億個と3.9%の増加となった。ホリデー期間中の取扱量は、5日間で2900万個以上、12月23日のピークには3100万個以上となり、1日あたりのグローバル取扱量は同社の想定を上回った。期間中に、取扱量が過去最高を記録した日が10日間あった。

同社は14年内に27億ドルの自社株買い戻し計画を発表。設備投資は25億ドルと予想されている。これは、オペレーション関連技術への追加投資と、能力拡張、ハブの近代化に関連する5億ドル以上の投資増額が含まれる。

■米国小口貨物、貨物急増対策で営業利益1.8億ドル減少
米国国内の第4四半期の売上高は4.2%増加して93億ドルとなった。1日あたりの小口貨物取扱量は、「Deferred」(2-3日後配達の航空輸送サービス)と「Ground」(陸上輸送サービス)がそれぞれ8%増、5.8%増とけん引し、全体で5.6%の増加となった。

貨物1個当たり売上高は1.3%減で、燃油サーチャージの低下、商品、顧客構成の変化、サービスの返金の増加が影響した。「UPS Sure Postサービス」の利用は30%以上増加しており、荷主が配達のスピードよりもコストを重視する傾向が表れた。

営業利益は12億ドルで、取扱量の急増と天候に関連した費用の増加によって、前年の調整後利益に対して1億7800万ドルの減少につながった。人件費と従業員給付費用の増加は、サービス維持のために追加投入されたリソースを反映。第4四半期に、季節採用予定人数を3万人以上上回り、合計で8万5000人の一時労働者を採用した。調達した輸送費用も大幅に増加した。

■国際小口貨物、アジア・欧州間で取扱量増加、7.6%増益
国際小口貨物部門の1日あたり平均取扱量は8.8%増加し、売上高は5.3%増の34億ドルとなった。輸出貨物取扱量は1日あたり9.5%増加、欧州の13%増と、アジア-欧州トレードレーンの大幅な増加がけん引した。

米国以外での国内貨物取扱量は、ポーランド、イタリア、カナダの高成長によって8.2%増加。12月中に、1日あたりのピーク取扱量で400万個以上を達成し、2012年の最高取扱量を11日間にわたって上回った。

為替変動の影響を除いた輸出のイールドは、燃油サーチャージの低下や、低価格サービスを求める顧客の嗜好によって3.4%低下した。また、汎欧州での取扱量の2桁の伸びで1個あたりの売上高は減少した。営業利益は7.6%増の5億3700万ドルとなった。営業利益率は、前年の調整後と比較して30ベーシスポイント上昇し、15.9%となった。

■フレート・フォワーディング事業で減収、利益は横ばい
売上高は、フレート・フォワーディング事業の減少によって、5.8%減の23億ドルとなった。営業利益は、ディストリビューション事業の改善がフォワーディングと北米の陸上混載・貸切輸送サービスを提供するUPSフレートの減少を相殺し、前年の調整後営業利益と比較して横ばいだった。

フォワーディング事業は、国際エアフレート事業での輸送量の減少、1キロあたり売上高の低下によって、売上高が減少。海上フレート事業は、輸送量が増加し、営業利益率も上昇した。

ディストリビューション事業は増収。小売、ヘルスケアセクターが業績の改善に寄与した。世界の拠点は284施設へ拡大し、総面積は2200万平方フィートを超えた。

■UPSのスコット・デイビス会長兼最高経営責任者(CEO)のコメント
「UPSは、最も楽観的な計画さえも上回る過去最大の取扱量増加を経験した。取扱量の増加はUPSのネットワークに負担をかけ、遅配が生じる結果となった。対応策として、コストよりもサービスを重視し、人員と設備を追加投入した。市場のニーズに確実に応えられるよう、必要な投資と業務上の改善を今後実施する」