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13年度決算、貨物部門売上高3.6%減少

キャセイパシフィック航空、貨物部門の苦戦続く

2014年3月13日 (木)

ロジスティクスキャセイパシフィック航空グループは12日、2013年度通期(1-12月)決算を発表した。純利益が前年度の8億6200万香港ドル(114億円)から26億2000万香港ドル(346億円)へと大幅に増加、売上高は1.1%増の1004億8400万香港ドル(1兆3293億円)となった。

このうち貨物事業は、10-12月期にやや改善が見られたものの、競争激化と長引く需要低迷の影響を受け、前年実績に及ばなかった。グループ全体の貨物部門の売上高は3.6%減の236億6300万香港ドル(3130億円)で、キャセイパシフィック航空と香港ドラゴン航空の平均貨物単価(貨物1トンを1キロ輸送することで得る収入の平均)も4.1%減の2.32香港ドル(30.69円)となった。

貨物輸送能力は1.7%増えたが、貨物占有率は2.4%ポイント減の61.8%へと下がった。輸送能力は需要動向を注視しながら通年で調整を続け、コストを抑えるために旅客便の貨物搭載スペースを活用した。

香港国際空港に新設したキャセイパシフィック・カーゴ・ターミナルは13年10月にフル稼働を開始し、同社は「長期的には生産性向上とコスト削減に寄与することになる」としている。

航空会社を除いたグループ関連会社からの利益配当はキャセイパシフィック・カーゴ・ターミナル建設に伴う初期費用、中国国際航空との共同出資会社「中国国際貨運航空」の業績不調の影響を受け、30.6%減の7億8100万香港ドルにとどまった。中国国際貨運航空の業績改善に向けた措置として、燃料効率の高いボーイング777-200F型貨物専用機の導入などを講じる方針。

■キャセイパシフィック航空のクリストファー・プラット会長のコメント
「貨物事業は引き続き苦戦を強いられており、持続的改善への兆しは見られない。産業構造に変化が見え始めていることから低迷の要因は周期的なものではなく構造的なものとも考えられており、貨物運航機材を減らすとともに運航効率を高めることで対応している。我々は航空貨物輸送拠点である香港の将来に確固たる自信を抱いており、最新鋭貨物専用機材と新カーゴ・ターミナルは長期的には競争力向上と成功をもたらすと確信している。2014年の事業環境は2013年と比べると改善される見通しで、健全な財務体質を維持する一方でビジネス強化に向けた投資を続けながら、世界有数の国際航空輸送拠点である香港の地位を高めることに貢献していく」