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ゼロ、好調の中古車事業伸ばし人材・機材充実目指す

2026年8月24日 (月)

財務・人事陸送大手のゼロは24日、決算説明会を開催した。2026年6月期の連結決算は、売上高が前期比1.8%増の1505億円、営業利益が同0.8%増の103億円となり、売上・利益ともに過去最高を更新した。高橋俊博社長は「売上規模よりも営業利益にこだわりを持ってきた。企業価値イコール営業利益であり、グループ全員の力を結集して達成できた」と手応えを語った。

好業績をけん引したのは、中古車輸送の拡大と適正価格への単価改善だ。主要顧客である日産自動車の新車輸送台数が49万台から44万台へ減少するなど新車マーケットが低迷する逆風のなか、全国およそ100人の営業体制で中古車輸送の受託を積極的に強化し、対前年比で輸送台数を増加させた。さらに、ことし1月からは国内最大級の中古車オークションであるUSSの東京・横浜会場における構内運営業務(年間115万台規模)を新規受託。高橋社長は「東京・横浜だけで国内の新車販売規模に匹敵する車が動く。構内業務と輸送を連携させて収益を拡大するため、2-3年がかりで交渉を重ねてきた」と語った。

利益面においては、採算の合わない案件の徹底的な見直しを進めた。高橋社長は「基本的に赤字は悪だと考えている。利益が出ている事業であっても赤字案件の放置はいかんということで、一件ずつ精査して価格交渉または撤退を断行した」と明かした。また、輸送機材の稼働率向上や経路見直しによる効率化を進めたほか、従業員の賃上げやシステム投資も積極的に実施。「将来の100年企業を見据え、しっかりした仕組みとシステムを構築するために先手を打って投資していく」と強調し、戦略投資を吸収した上での増益となった。なお、海外事業はマレーシア向け中古車輸出が回復したものの、中国事業の低迷などにより減益となった。

▲ゼロ社長の高橋俊博氏

27年6月期の通期業績見通しについては、売上高1550億円(3.0%増)、営業利益110億円(6.7%増)と、さらなる増収増益を見込んでいる。

今後の重点戦略として、高橋社長は「輸送力の確保」と「適正価格の実現」を掲げた。2024年問題によって業界全体で輸送力不足が深刻化し、自動車メーカーによる運賃引き上げを伴う輸送会社の囲い込みが加速している。高橋社長は「メーカーの囲い込みにより、他社で運べなくなった中古車業者などからの問い合わせが急増しており、追い風と認識している」と述べ、「最終的に機材と乗務員をしっかり確保できた会社が生き残る」と持論を展開した。

こうした旺盛な需要に応えるため、同社は人的基盤の強化に注力している。今期は前期比2割増となる123人の乗務員採用を目標に掲げ、カスタマーサービス本部内に専任組織「現場人財戦略部」を新設。人材サービス子会社のジャパンリリーフと連携して採用窓口を一元化するとともに、「応募には24時間以内にレスポンスし、72時間以内に面談する」といったスピード感あるルールを徹底する。また、就労予備軍に対する認知向上にも注力しており、公式noteや採用LPなどを活用して現場で働く社員の体験談や苦労、仕事のリアルを発信。「ゼロという会社名や具体的な仕事内容を知らない層」へのアプローチを強め、応募数の増加とともに「入社前後のギャップ緩和」やミスマッチの防止につなげている。

さらに、高橋社長は「新規採用の推進とともに、キーとなるのは『辞めさせない』ことだ」と力を込める。平塚の自社トレーニングセンターを活用した丁寧な研修とフォロー体制で定着率を高めるほか、今年7月からは現場の指導役である「チーフパイロット」の給与体系を大幅に改定した。従来の「現場リーダーに昇格・転向すると乗務員時代より給料が下がってしまう」という課題を解消。高橋社長は「チーフパイロットが乗務員にとって『憧れのポスト』にならなければ、現場の指導力も生まれない」と述べ、明確で魅力あるキャリアパスを整備することで組織の定着力と指導体制の底上げを図る考えだ。

また、外国人乗務員の採用拡大についても、タイやインドネシアなどのパートナーと連携しながら「大切な顧客の車を運ぶため、クオリティや国民性を丁寧に見極めながらトライ・アンド・エラーで挑戦したい」と語った。

収益基盤の強化に向けては「原価チーム」を新設。自社で車両を保有する強みを生かし、人件費や車両費、高速代などを可視化した上でプライシングを行う。高橋社長は「業界のプライスリーダーとして自社で原価を正確に把握し、適正な対価を提示していく。採算が合わない案件については価格改定か撤退を原則とする」と強い姿勢を示した。

説明会全体を通じ、高橋社長が事業継続と成長の肝として各所で強調したのは「車両と人材の強固な確保」だ。特に持続的な成長の鍵を握る人材領域においては、グループ会社のジャパンリリーフを活用した効率的な採用体制の構築をはじめ、賃上げや役職手当見直しなどの待遇面の改善、そして公式noteなどを活用した働き手への認知度向上・ミスマッチ防止策など、多角的な施策をこれからも強力に押し進めていく方向性が強く示された。

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