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ゼロ、新車需要低迷を「品質への原点回帰」で突破

2026年2月24日 (火)

財務・人事車両輸送大手のゼロは24日、26年6月期第2四半期(中間期)の決算説明会を開催した。高橋俊博社長は、国内の新車販売市場の低迷や主要顧客の不振による厳しい業績のなか、中期経営計画の骨子である「品質への原点回帰」を軸とした構造改革の進捗を語った。

▲ゼロの高橋俊博社長

同社が発表した中間期の売上高は658億4100万円、営業利益は44億3600万円。前年同期比では減収減益となったが、通期の業績見通し(売上収益1450億円、営業利益103億円)は据え置いた。高橋社長は、上期の実績に対し、下期に59億円以上の営業利益を積み上げる計画を示した。

この大幅な増益を支える要因として、高橋社長は「上期から仕込んできた施策の結実」を挙げた。具体的には、海上輸送を含めた経路設定の徹底的な見直しによる億円単位のコスト削減や、不採算事業の整理、さらには粗利益を重視した料金改定の推進だ。

中期経営計画では、「営業」「物流」「人的」「財務」の四つの品質向上を掲げ、事業構造の刷新を進めている。営業品質では、メルカリとの協業による中古車の個人間売買取引サービスや、国内最大の自動車オークション会場を含むUSS東京・横浜での構内業務受託を開始した。あわせて、粗利益を重視した料金体系の見直しと顧客への価格交渉を継続している。

物流品質では、2024年問題への対応として中継地のハブ拠点化を推進する。東名阪を中心とした拠点の新設や移転、拡張の検討により、輸送効率の最大化を図る方針だ。

人的品質は、乗務員や自走員の確保を最優先課題に据え、給与制度の刷新やグループ一体での採用広報、ホスピタリティ教育に着手している。説明会後の質疑応答において、本誌が「給与制度の見直しと教育研修によるモチベーションの変化」について質問したところ、高橋社長から具体的な回答を得た。

高橋社長は、これまでの賞与(ボーナス)重視の16分割支給から、月額給与のベースを底上げする12分割支給へと体系を刷新したことを明かした。これにより月額のベース給与は1.2倍から1.3倍に向上したという。「月々の手取り額を増やすことは、今の時代に非常に重要だ。会社負担は増えるが、離職率はぐんぐん下がっており、施策の効果を実感している」と述べた。

さらに、自走員(軽作業員)として入社した人材を、丁寧な仕事ぶりを評価した上で、大型トレーラーのドライバーへとステップアップさせるキャリアパスの構築も進めている。現場の評価制度を透明化することで、従業員の定着と品質向上を両立させる構えだ。

同社は、新車輸送の回復を待つだけでなく、中古車輸送、車両整備、ヒューマンリソース事業など、タイヤの付いた周辺ビジネスの領域を広げることで、1500億円の売上高と100億円の営業利益を安定的に創出する企業体質への転換を急ぐ。(菊地靖)

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