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「コストアップが原因ではない」

アマゾンが通常配送料無料を「2000円以上」に転換

2016年4月6日 (水)

ECアマゾンは6日、すべての通常配送料を無料としてきたこれまでの配送料を改定した。これにより、注文金額が2000円(税込)以上の場合は引き続き無料で配送するが、2000円に満たない場合は350円の配送料が必要となった。

アマゾンが通常配送料無料を「2000円以上」に転換

▲購入金額2000円未満の場合は配送料が350円かかることを説明する「Amazon.co.jp」のページ

同社の有料会員サービス「アマゾンプライム会員」に加入している場合の配送料については、通常配送や「お急ぎ便」などを問わず無料を維持するほか、書籍とギフト券はこれまで通り1点の注文であっても無料で配送する。

近年のドライバー不足で国内の物流コストは上昇傾向にあるが、同社は今回の改定理由について、LOGISTICS TODAYの取材に「コストアップは原因ではない」と明確に否定した。

確かに同社の物流に対する取り組みは、他社に先駆けて翌日配送、当日配送を拡大し、いち早く日時指定を採用したほか、コンビニ受取など配送オプションを充実させてきたという点で、競合ECサイトと比べて群を抜く熱心さだといえる。

一方で販売するアイテム数は1億種類から2億種類に増加し、プライム会員には最短1時間以内で配送する「プライムナウ」やまとめ買いオプション、国内外の映像作品や音楽を追加料金なしで配信するサービスなど、品揃えやサービスの拡充にも継続的に取り組んできており、質・量ともにレベルアップし続けているのは事実だ。

ではなぜ改定するのか。

同社の説明は「さまざまなことを総合的に鑑みて改定した」と掴みどころのない回答だが、良くも悪くもこれがアマゾンだということだろう。

ただ、同社のスタンスは物流面に限らずはっきりしている。これまでも、時には実験的な配送料体系を導入してきたし、ドローンや自動運転などの最新テクノロジーを取り入れるという面で世界の先頭集団にいるのは間違いない。今後も最新の物流手段を顧客に提供し続ける企業姿勢は変わらないと思われる。

こうした一連の物流に対する取り組みの中で「2000円未満の配送有料化」が出てきたわけで、500円に満たない文房具1点でも無料で購入するという利用スタイルが変化するのは事実だが、同社のさまざまな取り組みを考え合わせると、この点のみで「アマゾンでの買い物が値上げになった」とは言いにくい。

アマゾンが今回の改定理由を明確に説明できていないのは事実で、この点は利用者に誤解を招きやすい素地を自ら生み出しているともいえるが、同社の広報担当者は「コストアップが原因でないことだけは明確に申し上げたい」と言い切った。

「購入金額の少ない一見客」からプライム会員への加入を誘導したい面はあるだろうが、自らハードルを上げた今回の「配送料値上げ」が「さらなるサービスの向上」につながるものと受け入れられるのか、それとも「王者の驕り」と揶揄されて終わるのか、結論を出すには今しばらくの時間が必要だろう。

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