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訴訟損失に備え

第一中央汽船、優先株発行し85億円調達

2014年3月27日 (木)

財務・人事第一中央汽船は27日、第三者割当による優先株(D種株式)を発行し、85億円を調達すると発表した。海難事故に関連した訴訟で英国高等法院から165億円の損害賠償を支払うよう命じる一審判決が下っており、既に59億3700万円を訴訟損失引当金として計上しているが、控訴審で敗訴した場合にも対応できるよう、追加の資金調達が必要になると判断した。

資本性のある資金調達を実施することで自己資本の増強を行い、訴訟リスクが現実になった場合でも安定的な経営基盤を維持できる企業体力を確保する狙い。

第3四半期決算で経常損失59億9800万円、最終損失122億5600万円を計上したことから、公募増資や株主割当による資金調達では「発行予定額の確保に不確実性があるため極めて困難」だと考えたほか、普通株式による第三者割当増資の実施についても「普通株式の大幅な希薄化が直ちに生じ、株主価値を著しく損うおそれがある」として、優先株の発行を選択した。

同社では、累積損失を減少させて通期決算で繰越利益剰余金の欠損を補てんするため、資本金、資本準備金の減少を決議。併せて減少する資本金、資本準備金全額を「その他資本剰余金」から「繰越利益剰余金」へ振り替える方針を固めた。

発行する850万株の割当先は、大和PIパートナーズ250万株、フェニックス・キャピタル・パートナーズ・トゥエンティ投資事業組合300万株、三井物産100万株――などを予定している。