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三菱重工、日本郵船向け「さやえんどう」受注

2014年5月8日 (木)

荷主三菱重工、日本郵船向け「さやえんどう」受注三菱重工業は8日、今治造船と合弁で昨年4月に設立したMILNGカンパニーを通じ、日本郵船向けに次世代型LNG(液化天然ガス)運搬船として三菱重工が開発した「さやえんどう」船型(8隻目)を受注したと発表した。MILNGカンパニーとしては初めての受注で、完成・引き渡しは2017年。

このLNG運搬船は、長さ288m、幅48.94m、満水喫水11.5m、総トン数13万8000トン(載貨重量トン数7万5000トン)で、航海速力は19.5ノット。タンク総容積は15万5300立方メートル(LNG積載可能量は15万3000立方メートル)で、MILNGカンパニーからの発注に基づき、三菱重工長崎造船所(長崎市)で建造する。

さやえんどう船型は、球形タンク4基を船体と一体構造の連続タンクカバーで覆うことにより、船全体の強度を確保しながら軽量化を実現、さらに航行中の空気抵抗を大幅に軽減する。燃費性能は従来船と比べ20%以上の改善が可能。

連続タンクカバーの採用で、タンク頂上で配管、電線、通路を支える構造物が不要になり、メンテナンス性が大きく向上。また、燃費改善によるCO2排出量の抑制に加え、バラスト水処理装置の搭載による海洋生態系への影響軽減など、環境対応力も高めている。

MILNGカンパニーは、世界的なLNG需要の高まりを背景に増加傾向にある新造LNG運搬船の大型商談に対応できる体制を国内で先んじて整えた、LNG運搬船専門の設計・販売会社で、三菱重工と今治造船の造船所を合わせて年間8隻以上の建造能力を確保。さやえんどう船型のほかに、一般的な球形タンクカバー方式のモス船やメンブレン船まで幅広く対応する。

さやえんどう船型は、11年10月の2隻同時受注を皮切りとして順調に受注を重ね、エコシップのリード製品に育っている。三菱重工では「MILNGカンパニーの初受注を弾みに、今治造船との連携を緊密にして、LNG運搬船の受注拡大に力を注いでいく」としている。