荷主三菱重工業は25日、アストモスエネルギーから大型LPG(液化石油ガス)運搬船を受注したと発表した。2013年末に受注したものと同船型で、世界トップレベルの省エネ性能と、世界の主要LPGターミナルに柔軟に対応できる仕様が特徴。新パナマ運河にも適合し、2016年上期に完成・引渡しとなる。
受注したLPG運搬船は、長さ230メートル、幅36.6メートル、喫水11.1メートルで、総トン数は4万8300トン(載貨重量トン数5万1100トン)。LPG積載量は8万3000立方メートルで、長崎造船所で先の受注船とともに建造する。
同社独自の船型を採用したことなどにより、優れた燃費性能とLPGターミナルごとに異なるさまざまな接続条件への高い適応性を実現。16年初めにも運用開始が見込まれる新パナマ運河を通過できるよう、係船装置なども世界最新の設備を搭載する。
アストモスエネルギーは現在、23隻の大型LPG運搬船を運用しており、このうち同社所有の6隻はすべて三菱重工が建造したものとなっている。アストモスエネルギーが他社と契約している定期用船17隻のうち11隻も、三菱重工が建造した。
アストモスエネルギーでは現在の年間1000万トンのLPG取扱量を、15年には1200万トン超まで増やす中期経営計画に取り組んでおり、LPG輸送体制を拡充していく方針。今回の造船契約もこの方針を受けたもので、本船は同社が保有する老齢船の代替船として就航する。