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帝国データバンク調べ

運輸業の倒産、7年連続で400件台超も

2014年9月8日 (月)
運輸業の倒産、7年連続で400件台超も

出所:帝国データバンク

調査・データ帝国データバンクは8日、運輸業者の倒産動向調査結果を発表した。1-8月の運輸業者の倒産件数は273件で、前年同期に比べて1.8%の減少。負債総額は367億6800万円と38.3%減少した。ただ、倒産件数は2008年以降、400件を上回って推移し、高止まりが続いている。通年では7年連続で400件台を超える可能性が高い。

負債規模別では、「1000万-5000万円未満」が132件で全体の48.4%を占めた。次いで「1億-5億円未満」も80件と、構成比が29.3%に達した。

業態別では「トラック運送(道路貨物運送)」が195件ともっとも多く、全体の71.4%を占めてトップ。「運輸付帯サービス」が55件、構成比20.1%で続いた。

倒産主因別では、「販売不振」が200件で73.3%を占め、地域別では「関東」が108件で39.6%、次いで「近畿」が64件、「中部」が27件と続いた。

同社は「アベノミクスによる景況感回復の恩恵で荷動きの改善と運賃への転嫁が進み、一方では燃料価格の一段の上昇、ドライバー不足などのコストアップ要因によって、運輸業者の事業環境は先行きが見通しづらいものとなっている」と指摘。

大企業優遇と評されたアベノミクスによる景気回復がようやく運輸業種の中小企業にも恩恵が及んできているとしながらも、「今春以降一段と値上がりした燃料価格、人手不足によるドライバーの確保の問題など、コストアップ要因に事欠かない」「荷主によって、例えば通販や建設・不動産などの活況業種と、期待されるほど伸びていない輸出産業など、顧客業種によっても明暗が分かれるようになっている」との見方を示した。