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天然活魚版も10月から実験開始

東京・大田市場、帰り便利用し「朝獲れ鮮魚」強化

2014年9月30日 (火)

調査・データ東京・大田市場、帰り便利用し「朝獲れ鮮魚」強化東京都中央卸売市場大田市場水産物部は9月29日、首都圏に近い小田原魚市場と連携し、その日の早朝に相模湾で獲れたばかりの魚を生きたまま大田市場に運び、その日中に首都圏の飲食店に流通させる「おおたの朝獲れ天然活魚」の実証事業を行うと発表した。

2013年度に実施した「おおたの朝獲れ鮮魚」事業は、提供する魚種やサイズを揃えることで、刺身や寿司ネタなどのメニューをより多くの小売店や飲食店で提供できるよう輸送スケジュールなどを見直すとともに、小田原への帰り便を活用して大田市場の活魚を販売することで、事業全体の物流コストの低減化を図る実証事業を行う。

朝獲れ天然活魚は10月24日と31日の2日間、朝獲れ鮮魚は10月6日から25日の間で休市日を除く15日間実施する。

この取り組みにより、おおたの朝獲れ天然活魚事業では首都圏の飲食店などで、数時間前まで海で泳いでいた天然活魚を消費者へ提供し、おおたの朝獲れ鮮魚事業では、刺身・寿司ネタなどを幅広くメニューに活用できるよう魚種・サイズを顧客ニーズに合わせて提供する。

特におおたの朝獲れ鮮魚事業では、帰り便を活用して事業全体の物流コスト削減に取り組む。

水産物の市場流通では、水揚げ当日の朝から産地市場で魚が取引され、築地市場や大田市場など首都圏の消費地市場には、昼以降に商品が到着。その日は冷蔵庫などにいったん保管され、翌朝に取引されて首都圏のスーパーや居酒屋などに納品、消費者の食卓に届けられるのが一般的。

新たに取り組む市場流通では、より鮮度の高い魚を首都圏の消費者に提供するため、早朝、漁港で水揚げされた「生きたままの魚」をすぐに産地市場から出荷し、朝6時までに大田市場に到着、その日に取引する。

この取り組みにより、獲れたその日の午前中に、首都圏の飲食店などに納品することが可能となり、数時間前まで海で泳いでいた天然の活魚を首都圏の消費者が食べられるようになる。

また、13年度に続いて実施する朝獲れ鮮魚事業では、顧客のニーズに基づき魚種やサイズを揃え、刺身や寿司ネタなどのメニューで首都圏の消費者の夕食に提供できるよう商品力を高める内容とした。さらに、帰り便を活用して大田市場の活魚を販売することで、事業全体での物流コストの低減化を図る。

タイムスケジュール
■朝獲れ天然活魚
21o9t100_02
午前3時00分-4時30分
小田原漁港(神奈川県小田原市早川1-10-1)
小田原市漁協などの漁師が、相模湾に仕掛けられた定置網、刺し網で漁獲された魚を早朝3時頃から小田原漁港で水揚げする。漁港では、小田原魚市場の熟練の担当者が、港から入荷した生きたままの魚を運ぶ準備を整え、午前4時30分までに大田市場に向けてトラックが出発する。

午前6時-7時
大田市場(東京都大田区東海3-2-8水産棟)
小田原魚市場から「おおたの朝獲れ天然活魚」を積んだトラックが、午前6時頃、大田市場の水産棟に到着する。卸売業者(大都魚類大田支社)から、各仲卸業者に販売されたのち、午前7時頃から段階的に、仲卸業者により首都圏の飲食店へ配達される。

午前11時00分-
都内飲食店ほか
大田市場を出発した仲卸業者の配送車により、午前9時頃から段階的に、首都圏の飲食店に「おおたの朝獲れ天然活魚」が納品され、首都圏の消費者に数時間前まで海で泳いでいた魚を提供する。

■朝獲れ鮮魚便
午前3時-4時30分
小田原漁港(神奈川県小田原市早川1-10-1)
小田原市漁協などの漁師が、相模湾に仕掛けられた定置網、刺し網で漁獲された魚を早朝3時頃から段階的に、小田原漁港で水揚げする。漁港では、小田原魚市場の熟練の担当者が、港から入荷した魚のサイズや魚種を揃えて鮮魚ボックス(50ケース程度)に詰め、午前9時頃に大田市場に向けてトラックが出発する。

午前11時-正午
大田市場(東京都大田区東海3-2-8水産棟)
小田原魚市場から「朝獲れ鮮魚」を積んだトラックが、午前11時頃、大田市場の水産棟に到着する。卸売業者(大都魚類大田支社)から、各仲卸業者に販売されたのち、正午頃から段階的に仲卸業者により首都圏の飲食店へ配達される。一例として、大田市場の仲卸業者の中から、「にっぱん水産」「海老正フレッシュ」などが本商品を飲食店などへ販売する。

午後2時00分-
都内飲食店ほか
大田市場を出発した仲卸業者の配送車により、午後2時頃から段階的に首都圏の飲食店に「朝獲れ鮮魚」が納品される。一例として、新橋駅前にある寿司店では、大田市場の仲卸業者であるにっぱん水産より入荷した朝獲れの魚を使った刺身・寿司などを当日の夕食で提供する。

■朝獲れ鮮魚帰り便
東京・大田市場、帰り便利用し「朝獲れ鮮魚」強化
午前11時30分-午後1時
大田市場(東京都大田区東海3-2-8水産棟)
「朝獲れ鮮魚」を積み下ろしたトラックに卸売業者(大都魚類大田支社)が活け締めにした活魚を積み込み、午後1時00分頃に小田原魚市場に向けて出発する。

午後2時30分-午後3時
小田原魚市場(神奈川県小田原市早川1-10-1)
「朝獲れ鮮魚」の帰り便として、”大田市場で活け締めにした魚”を積んだトラックが午後3時頃、小田原魚市場に到着し、大型冷蔵庫に保管される。

翌日午前6時-7時
小田原魚市場(神奈川県小田原市早川1-10-1)
翌朝のセリで各仲卸業者に販売されたのち、午前7時頃から段階的に、箱根の旅館などへ配達される。

翌日午前11時00分-
箱根旅館ほか
小田原魚市場を出発した仲卸業者の配送車により、午前9時頃から段階的に、箱根の旅館などに”大田で活け締めにした魚”が納品される。一例として、箱根町強羅にあるホテルでは、マダイ・カンパチなどを宿泊客に対して、夕食メニューとして提供する。