ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

バンテック、入社式で訓示「国際物流で戦える規模確保」

2011年4月5日 (火)

ロジスティクスバンテックは4日、新入社員18人を迎えて行なった入社式で、同社の山田晴敏社長が行った訓示を公開した。山田社長は日立物流による同社への株式公開買い付け(TOB)に触れ、「日本で有数のビッグプレイヤーと成り、国際物流マーケットで戦える規模を確保した」「ダイナミックなグループの動きに、バンテックが力を十分発揮して貢献することが、日立物流の期待に応える道」などと話した。

 

バンテックの山田晴敏社長による訓示(要旨)
まずは入社おめでとう。バンテック全社員を代表して歓迎とお祝いの意を表したいと思います。厳しい就職戦線を乗り越えて今日の日を無事迎えられたことは、何よりの親孝行でしょう。そして社会人としての第一歩を踏み出すわけですが、今日のFresh な気持ちいつまでも持ち続けてほしいと言っても、そんなに長くは続きません。

 

ただ、あなた方が入社した日は、歴史に残る大災害の僅か3週間後であったということは一生忘れることはないでしょう。諸君の中で北関東の出身者はわずか数名であり、ご親族を含めて被災された方がいなかったことを祈りますが、もしいらっしゃったら心からのお見舞いを申し上げます。11・3・11は我々の忘れられない日となりました。従って、これから皆さんは「ああ、あの年の入社の人か」と、悲劇の年に希望の星としてバンテックに入社した人達と記憶されるのです。

 

さてこの災害で当社の営業拠点も大きな被害を受けましたが、幸い当社グループの従業員や家族には死傷者は出なかったのですが、日産さんをはじめ自動車業界のお客様のかなり多くの工場が被災され、操業度が大きく落ち込んでいます。今後影響を及ぼすものと思われ、予断を許さない状況です。

 

もう1つ、諸君が特別な年の新入社員として記憶されることが、震災の僅か2日前に起こりました。それは日立物流による当社株式に対するTOB の発表です。入社試験時には考えもしなかったことが発表され、ビックリされたことと思います。両社の売上を合算しますと約5000億円となり、日本で有数のビッグプレーヤーとなり、国際物流マーケットで戦える規模を確保したと言えます。当社の自動車物流、日立物流の3PL というそれぞれの得意とする強みを持ち寄って、海外市場におけるシナジーを追求すれば、大変ユニークかつ競争力を持った物流グループの誕生となると期待されます。とにかくダイナミックなグループの動きに、バンテックが力を十分発揮して貢献することが、当社の株主となられる日立物流の期待に応える道でしょう。5月からはこのシナジーを最大化するための取り組みが本格化します。あなた方がすぐこの活動に参加することはありませんが、このエポックメーキングな年に入社してきたことは忘れないで、世界にかんたる物流グループの一員として恥じない知識と実力を早く身に着けられんことを期待しています。

 

これから諸君は全員2か月の研修に入ってもらいますが、2か月目は現場研修を体験してもらいます。どんな職場に配属されるにしろ、物流の現場を体験することは欠かせない経験です。本当は半年程度現場実習をして欲しかったのですが、現場を少しでも体験するのとしないのでは大きな差で、この機会を大切に現場の皆にも可愛がってもらうようにしてください。

 

私から入社式に当たって諸君に先輩として言っておきたいことは一つです。それは会社という組織体に加わって働くのですから、チームプレーヤーとしての自覚を持って活動することです。言い方を変えると、若いときは使われやすい部下であること、長じては、あの人に使われてみたいとか、あの人のチームに入って働きたいと思われる上司になること、です。

 

かの有名なアメリカの鉄鋼王カーネギがその墓標に刻んだ言葉、
“Here lies a man, who knew how to enlist the service of better men than himself”
私は彼のように、自分より秀でた人たちに囲まれて仕事をし、良きチームの皆と成功を喜び、失敗に涙し、仕事人生を終わる、というのを夢見ています。では皆さん、頑張ってください。