ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

大日本印刷、書籍流通効率化へ出版流通事業再編

2010年6月30日 (水)

産業・一般大日本印刷(DNP)は29日、出版流通事業の強化を目的としたグループ再編を発表した。連結子会社のジュンク堂書店を同じく連結子会社であるCHIグループの子会社にするとともに、CHIの子会社である丸善の店舗事業を会社分割で切り離し、新設する「丸善書店」に承継させる。

 

DNPと同グループで教育・出版流通事業を展開するCHI、ジュンク堂の3社は、昨年9月の業務提携合意以降、規模のメリットを活用した取引条件の改善、デジタルコンテンツの確保、新たなインフラづくりに取り組んできたが、こうした動きを加速・拡大する狙いで「CHIとジュンク堂を一体とみた中で選択と集中、投資効果の向上、コスト競争力の強化」を図るため、3社間で経営統合に関する合意書を締結したもの。

 

これらの再編により、3社では(1)新会社とジュンク堂の事業ノウハウの共有に夜営業効率向上(2)新会社とジュンク堂の店舗ポートフォリオ・ネットワークの最適化(3)書籍などの調達・仕入れにおける協業効果(4)ネット書店・デジタル化での競争力強化(5)収益力の高い商品の相互店舗への供給(6)差別化できる商品開発(7)システム統合による二重投資の排除と販売データ共有によるマーケティング力の向上(8)間接業務とバックオフィスの共有化による業務効率向上――などの統合効果を見込む。

 

このうち書籍の調達・共同仕入れの分野では、国内最大級となる店舗ネットワークの販売情報を共有することで、「より精度の高い仕入れによる返品率の低減、書籍流通全体の効率性向上を通じた書店収益力の改善」を目指す。