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船社別、中東向け停止と代替港の全容

2026年3月8日 (日)

国際ホルムズ海峡が事実上の封鎖状態に入り、主要コンテナ船社の対応が出そろった。ブッキング停止の範囲、緊急サーチャージの水準、代替港の選択は船社ごとに大きく異なる。荷主・フォワーダーが実務判断に使えるよう、3月8日時点の各社対応を一覧で整理した。(編集長・赤澤裕介)

海外海運分析会社のデータによると、湾内にはMSC(スイス)が15隻・10万9000TEU、APモラー・マースク(デンマーク)が14隻・7万TEUをそれぞれ滞留させている。各社の対応を以下にまとめた。

▲主要船社の対応(クリックで拡大)

ポイントは、HMM(韓国)の対応が他社と異なる点だ。海外物流メディアの報道(3月4日頃)では全面停止には踏み切らず「強い警告」にとどめていたが、その後停止に移行したとする業界情報もあり、最新ステータスの確認が必要だ。エバーグリーン(台湾)は当初対応が見えなかったが、3月5日付でブッキング停止を発表している。サーチャージの水準もばらつきが大きく、CMA CGM(フランス)はドライコンテナで20フィート2000ドル・40フィート3000ドル(リーファーは4000ドル)、ハパックロイド(ドイツ)はWRS(戦争リスクサーチャージ)1500-3500ドル/TEUと、船社によって体系が異なる。

代替港の稼働状況と今後の見通し

ホルムズ海峡の手前で貨物を降ろし、陸路や沿岸輸送で最終仕向地へ届ける動きが広がっている。

サウジアラビア西岸(紅海側)のジェッダ、キングアブドゥッラー港、ヤンブは稼働中で、欧州・米州からの東向け貨物を受け入れている。ただし転送貨物が集中しており、混雑リスクが高まっている。オマーン南部のサラーラはマースクが引き続き寄港先として維持。UAE側ではオマーン湾に面するコルファカンがUAE向け貨物の代替通関ポイントになっている。UAE国内のためクリアランスが容易な点が強みだ。オマーン湾側のソハールもGCC(港湾協力会議)向け代替港として使われているが、状況は流動的だ。このほかスリランカのコロンボでは一部船社が湾岸向け貨物の一時荷降ろし先として使っており、インドのピパバブ、ムンドラへの転送も確認されている。

湾内の状況も厳しさを増している。海外海運分析会社のデータでは、コンテナ船に加えてタンカー150隻超がホルムズ海峡外で投錨待機している。湾内に残るコンテナ船の多くは沖合で待機を余儀なくされている。ジュベルアリでは20隻ほどが着岸しているが、3月3日時点でマースクが「ターミナルは稼働中」としていた状況がその後変化しており、操業の実態は不透明だ。

荷主がいま押さえておくべきポイントは3つある。1つ目は、代替港経由の陸上転送コストとリードタイム増の見積もり。2つ目は、船社ごとに異なるサーチャージ体系の比較。3つ目は、ジェッダやコルファカンなど代替港の混雑状況を日々確認し、滞留リスクに備えることだ。状況は刻々と変わっており、各船社の公式アップデートを注視してほしい。

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