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東京商工リサーチ調べ

不動産取得情報の開示、過去最多タイの56社

2015年1月14日 (水)

調査・データ東京商工リサーチの調査によると、2014年に国内で不動産取得や工場・社屋の新設などを開示した上場企業は、13年と同数の56社となった。08年の調査開始以来、最多タイを記録し、同社は「アベノミクスを追い風に、企業が事業拡大に備え不動産の取得など、前向きな設備投資に向かう姿勢を反映した」と指摘している。

不動産取得面積を公表した上場企業は33社で、合計面積は48万535平方メートルに上った。公表取得土地面積が最大だったのは建設向け仮設・型枠、構造機材製造の岡部で8万2946平方メートル。中期経営計画に基づき、茨城県下妻市に国内最大規模の新工場用地を取得した。

電設資材メーカーの未来工業は7万5000平方メートルの取得を公表した。既存工場の老朽化対策と物流の集約を目的に、岐阜県垂井町に新工場を建設する。さらに、香料メーカーの高砂香料工業は広島県三原市で5万平方メートルを取得。グループ全体の事業継続計画と生産効率化を推進する。

総取得(投資)額は、公表した50社合わせて2890億5000万円。トップは東武鉄道の1030億円で、東武ターミナル駅と百貨店が共存する池袋・船橋地区の拠点性を高めるため、池袋駅ビルと船橋駅ビルの信託受益権を特別目的会社から取得した。

150億円を投じると公表したトーモクは、関西の段ボール需要に対する生産、物流能力のひっ迫を解消するため、大阪工場に次ぐ2拠点目として神戸市に新工場を建設する。日本アセットマーケティングは、グループの組織再編の一環として148億7400万円(判明分)を投資し、グループ各社が保有する建物、土地の集約や効率的な活用・管理などを進めた。

取得理由では、新工場や新社屋の用地取得や建設、新規事業進出などの「事業拡大」型が33社で最も多かった。次いで、本社建設や賃貸物件を自社所有にするなどの「経営安定」型が12社。賃貸用ビル、土地建物などを取得する「事業用収益物件の取得」型は11社となった。

業種別では不動産が8社で最多、次いで化学6社、電気機器5社、卸売・サービス・金属製品・その他製品がそれぞれ4社と続く。

取得(投資)額は、最多が東武鉄道の取得金額が影響した陸運の1030億円。次に化学の397億円、不動産337億600万円、サービス272億5700万円、小売が178億3100万円、パルプ・紙が150億円。

不動産取得情報の開示、過去最多タイの56社