調査・データ東京商工リサーチ(TSR、東京都港区)は17日、「トランプ関税」に関する第2回目の企業アンケートを実施した結果について公表した。結果はインターネットによるアンケート調査を実施し、有効回答7113社を集計・分析したもの。
アメリカの関税引き上げの影響について尋ねると「少しマイナス」が45.8%でトップだった。次いで「影響は生じない」が38.3%、「大いにマイナス」が11.8%と続いた。「マイナス」の合算は57.6%で、4月調査の「マイナス」52.3%を5.3ポイント上回った。業種(中分類)別の「マイナス」は、最大はゴムやタイヤ製造の「ゴム製品製造業」92.3%となり、他にも自動車などの輸送機械製造にかかわる業種の高さが目立った。
「マイナス」と回答した企業へ、廃業・会社売却や一部事業部門の閉鎖・売却を検討する可能性を聞くと「廃業・会社売却を検討する可能性がある」が1.5%、「一部事業部門の閉鎖・売却を検討する可能性がある」が2.2%になり、合計で3.7%の企業が事業継続を諦めたり、事業規模の縮小を検討していることがわかった。これを産業別でみると、運輸業は2.89%だった。最大が製造業の4.8%、次いで小売業が4.6%、不動産業が4.5%、情報通信業が4.3%で続いた。
雇用・採用計画に与える影響を聞くと「ネガティブに影響することはない」が87.2%で最大だった。雇用・採用計画に影響が出るとした企業では、構成比の最大が「採用を抑制する」の10.3%、次いで「非正規社員を削減する(予定含む)」が2.7%、「正社員を削減する(予定含む)」が1.8%と続いた。
今年度の賃上げに与える影響を聞くと「ネガティブに影響することはない」が78%で最大だった。規模別では大企業が91%となり、中小企業の76.9%を14.1ポイント上回った。賃上げに影響が出るとした企業では、構成比の最大が「賞与の増額を見送る、もしくは増額幅を縮小」の12.1%。次いで「ベースアップを見送る、もしくはアップ幅を縮小」が10.5%、「定期昇給を見送る、もしくは昇給幅を縮小」が7%で続いた。
来年度の賃上げに与える影響を聞くと「ネガティブに影響することはない」が70.8%で最多だった。しかし今年度の賃上げに関する結果(78%)と比較すると7.2ポイント低下し、今後の賃上げに支障が出る企業が多いことが見込まれる。来年度の賃上げに影響が出るとした企業では、構成比の最大が「賞与の増額を見送る可能性」の16.5%だった。次いで、「ベースアップを見送る可能性」が15.9%、「定期昇給を見送る可能性」が9%、「再雇用者の賃金引き上げを見送る可能性」が5.6%で続いた。
政府や行政に求める支援策を聞くと、構成比の最高は「トランプ政権の動向が自社業界にあたえる影響の情報提供」の38.1%だった。次いで「事業や雇用維持に向けた返済義務のない給付金・助成金の支給」が37.2%、「低利または実質無利子・無担保(ゼロゼロ)融資の促進」が30.5%で続いた。
■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。
※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com