ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

日本郵便会見「物流業界の一員として恥ずかしい」

2025年6月17日 (火)

ロジスティクス日本郵便は17日、都内で会見を開き、点呼業務不備による行政処分とその対応について発表した。同社は4月23日、郵便局における点呼業務不備事案の調査結果、原因分析、再発防止策を公表していた。

同社は3か月間、千田哲也社長の月額報酬40%を減額する。併せて計11人の役員が処分対象となった。問題の発覚当時、支社長を務めていた日本郵政とゆうちょ銀行の役員2人は報酬の一部を自主返納する。さらに、トラックでの集荷・運送業務を外部委託することを基本にすると発表。佐川急便など他社に6割を委託するほか、自社で保有する軽四車両などで代替するとした。また、オペレーション確保にめどが立ったと説明。点呼の適正化に向けた意識改革、研修、鍵の交付・点呼の厳格化、記録の一元管理などの実施、検査部門による点検強化を明言した。

会見に出席した日本郵便社長の千田哲也氏は今回の不祥事の物流に与える影響を聞かれ、「2024年問題に対応するため物流業界全体が血の滲むような努力をしているとき、こんな事態を起こしてしまった。本当に物流業界の一員として非常には恥ずかしい限りだ。今後は点呼のオペレーションを確立し、信頼回復に努める」と語った。

▲日本郵便の千田哲也社長

また、会見中、千田社長が苦渋の表情を浮かべたのは内部通報者について言及した時だった。「我々は内部通報者をしっかり守らなければならない。その通報がそこだけの事象なのか、蔓延しているものなのか、しっかり調べるべきだった。内部通報をしていただいた社員には大変申し訳ない思いでいっぱいだ」

同社の調査によると、全国3188の郵便局のうち75%にあたる2391局で、法令で定められた点呼を実施していなかった。同社は4月にこの調査結果を明らかにした。その後、2024年1月から3月上旬にかけて実施すべきだった57万件超の点呼のうち、10万2000件について記録の改ざんが確認された。これらは適切に実施したよう装っていたことになる。

国土交通省はこの問題を受けて、トラックやバンタイプの車両2500台について運送事業の許可を取り消す処分を通知した。日本郵便は処分の受け入れ方針を示した。許可が正式に取り消された場合、2500台の車両が今後5年にわたり集配業務に使えなくなるため、同社は委託による代替輸送や配送体制の見直しを図る。配送への影響を最小限に抑える対応を進め、行政処分後も郵便物やゆうパックのサービスを維持する。

■行政処分執行後の郵便・物流サービスの提供の具体的な方法
https://www.post.japanpost.jp/notification/pressrelease/2025/00_honsha/0617_02_03.pdf

▲日本郵便の輸送ネットワークの全体像とトラックを使用した業務範囲(クリックで拡大、出所:日本郵便)

■緊急特番(YouTube Live)

■Podcast配信
spotify】 【Apple】 【Amazon

日本郵便の貨物運送許可取消へ、国交省方針固める

■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。

※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。

LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com