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JR貨物、運行不能時の代替輸送力拡大へ対応策

2015年1月15日 (木)

ロジスティクス日本貨物鉄道(JR貨物)は、昨年10月6日に東海道線由比-興津間で土砂が流入し、同月16日まで列車が運行不能となったことを受け、同様の事態が発生した場合の代替輸送力拡大などの対応策をまとめた。

昨年10月の運行不能時には延べ858本の貨物列車を運休し、対応策として(1)12フィートコンテナ200個分のトラック代行輸送(2)最大時4区間4往復のう回列車の運転(3)定期列車の接続(4)最大時7区間8往復の区間列車の運転――を実施したが、最大時の代替輸送力は1日2160個と通常時の20%にとどまった。

この時の反省を生かし、同社は(1)輸送力確保、輸送計画策定(2)輸送機材・要員(3)トラック代行輸送(4)システム・電算関係(5)大型コンテナ輸送への対応など6分野に分けて対策を検討。14年度中に策定し、15年度末をメドに対策を実施する。

具体的には、今後の不測事態を想定し、代替輸送力、折返し計画などの輸送手配シミュレーションを策定。大型コンテナの荷役作業を改善するため、あらかじめ貨物駅の積卸体制、時間などの一覧表を作成し、主要E&S駅で大型コンテナ荷役作業を実施する際の問題を把握して改善する。また、船舶輸送の効率的な利用、弾力的手配の可否についても検討する。

輸送機材では、汎用性のあるEH500形式電気機関車を主要線区に入線させることができるかを検証するほか、う回輸送体系を想定し、危機管理の観点から予備機関車を配置すべきかどうか検証する。

トラックによる代行輸送としては、大型コンテナ通行許可(特殊車両申請)をあらかじめ行うよう、利用運送事業者に働き掛けるとともに、全国通運連盟が発行している「コンテナアクセスマップ」の修正を求める。

システム面では、異常時用システムマニュアルの整備、異常時電算担当の指定とともに、FRENS(貨物情報ネットワークシステム)を改修し、性能を高める。異常時に対応できるよう、システム教育も充実させる。

さらに、線区ごとの大型コンテナ輸送を可視化し、主要線区では大型コンテナ一覧表も作成する。