行政・団体公正取引委員会は9日、井関農機に対する下請法違反の勧告を発表した。同社が下請代金支払遅延等防止法第4条第2項第3号に違反すると認定され、法第7条第3項に基づく勧告となった。井関農機は農業機械の製造販売をする企業で、資本金は233億4474万8312円。
公取委の調査によると、井関農機とその全額出資子会社は、取引先下請け事業者102社(資本金3億円以下の法人)に対し、販売または製造委託する部品や金型に関連する計1万9461個の型や治具を、2023年5月1日からことし1月31日までの期間、無償で保管させていた。この行為により下請事業者の利益を不当に害したと認定した。
井関農機は23年9月から24年5月にかけて、66社の下請事業者から3671個の型や治具を回収し、2848個を廃棄した。また、長期保管に関わる費用相当額として、24年12月30日と25年1月31日に計1億1445万8381円、25年2月28日と3月31日に4804万835円を支払い、総額は1億6249万9216円となった。
勧告では、井関農機に対し、取締役会決議による違反の明確な確認と、今後下請事業者の利益を不当に害さない旨の表明を求めた。また、法務担当者による定期監査の実施、役員・発注担当者向けの下請法研修の実施による社内遵法管理体制の整備、従業員への周知、子会社や取引先下請事業者への通知、さらに公正取引委員会への報告を義務付けた。
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