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凸版印刷、川口工場を増強、短納期・小ロットに対応

2011年7月25日 (月)

拠点・施設左:新導入した、オフセッ枚葉両面印刷機 、右:川口工場・新棟外観凸版印刷は25日、出版印刷分野の総合製造拠点として川口工場(埼玉県川口市)を増強すると発表した。短納期・小ロットに対応した雑誌、書籍、コミックなど多品種向けの印刷・製本一貫製造ラインを新設、8月に本格稼動を開始する。新製造ラインで、今年度15億円の売上を見込む。

 

川口工場に新棟を建設し、印刷・製本一貫の製造ラインを新設することで、市場からの短納期・小ロットのニーズに対応する狙い。

 

新ラインでは枚葉両面機を導入、従来の川口工場の設備とこれまで培ったノウハウを組み合せ、雑誌、書籍、コミックスなどさまざまな出版物に対応が可能になった。新ラインではインプラント化による短納期への対応や、大ロットから小ロットまでのシームレスな対応、高い品質保証につなげる。

 

川口工場は、雑誌印刷を中心とする工場として、オフセット輪転、グラビア輪転、活版輪転など大ロット印刷、製本に対応している。さらに今回、小ロットの雑誌、書籍、コミックスなどに対応した製造ラインを新設することにより、より幅広い出版物に同一工場で対応できるようになる。

 

新たな設備として、オフセット枚葉両面印刷機を導入。通常、表面と裏面の2回に分けて印刷するが、新ラインでは両面を一度に印刷するため、高効率での生産が可能となる。凸版印刷が培ったノウハウを活用し、書籍だけでなく雑誌やコミックスなどさまざまな出版物に対応。小ロットに強みのある枚葉機をより効率化した。

 

また、インキ・資材・印刷条件を改善し、新ラインとなる両面機の品質向上を実現。これまで、ざらつき感など品質面で課題のあった両面印刷機の問題を克服した。検査工程には、画像処理による高速検査機など各種の検査機器を導入。高品質を保証する体制を確立した。新ラインでは、高品質の求められる写真集や豪華本などへの対応が可能に。

 

さらに、川口工場に新棟を建設し、同一棟内で印刷から製本までを行う一貫生産体制を確立した。これにより、工場間での移動時間が不要になるとともに、工場内の移動も削減でき、さらなる短納期への対応が可能となった。

 

凸版印刷では「今後も出版印刷分野の総合製造拠点として川口工場の増強を進めるとともに、デジタル生産拠点としての板橋工場との密接な連携を図る」としている。