国際国際協力機構(JICA)は3日、ハイチ首都圏と地方を結ぶ幹線道路上の2つの橋梁を架け替えることで、同国の物流円滑化を促進する事業を対象に、36億7200万円を限度とする無償資金協力の贈与契約を2日付で結んだと発表した。
ハイチでは、2010年に発生した大地震でポルトープランス首都圏を中心に主要幹線道路を含むインフラ全体が壊滅的な被害を受けたほか、それ以前からの政治的混乱が原因で、ほかのカリブ諸国に比べて道路網の整備が遅れている。
同国政府は、全人口の4分の1にあたる250万人がポルトープランス首都圏に集中し、大規模な震災被害を招いたとして、12年から33年までの国家開発戦略計画を策定。この計画にそって地方拠点への機能分散を進めている。
JICAが支援する今回の事業では、開発計画のなかで運輸セクターの優先課題の一つとされている首都圏と地方を結ぶ幹線道路を整備する。
国道1号線とそのバイパス道路は、首都圏と北部・中部地域間の運輸交通アクセスを確保する大動脈の一部を形成しており、工業団地や北部・中部地域の主要都市へ接続する役割を担っているが、幹線上にあるポルトープランス郡タバレ地区のクロワ・デ・ミッション橋梁と、同郡シテソレイユ地区の新線橋梁の2つの橋梁の架け替えを行う。