ロジスティクス日本船主協会は29日、パナマ・スエズ両運河の通航船実績調査を公表した。調査の結果、同協会会員会社の運河通航料支払額は、パナマ運河で通航隻数・トン数が増えたため前年比12.9%増、スエズ運河では通航隻数・トン数の増加に加え、2014年5月1日実施の一部船種に対する通航料の引き上げもあって同7%増となった。
パナマ運河では通航船社数が1社増えて17社となり、利用隻数(延べ)も1106隻と95隻増えた。通航料支払実績(確認分)は、コンテナ船以外の料率の基本となる通航船舶トン数ベースで3003万8000トンで、コンテナ船のベースとなるTEUは130万1000TEUとなった。
この結果、全体の通航料は前年の2億3784万4000米ドルより12.9%多い2億6861万5000米ドルと大幅に増加した。
船種別延隻数は、自動車専用船がもっとも多く380隻から401隻へと5.5%増加。増加数ではコンテナ船がもっとも多く、215隻から291隻と35%伸びた。PC/UMSベースでもそれぞれ2104万トンから2114万5000トン、100万1000TEUから130万1000TEUと増加した。
これに伴い、通航料も自動車専用船が5.8%増、コンテナ船が25.4%増と前年を大幅に上回った。
パナマ運河全体では、同運河庁発表の2014年度実績によると通航船舶が1.3%減少しており、通航船舶トン数PC/UMSは1.9%増加。通航収入も3.3%増の19億1020万ドルとなっている。
スエズ運河の通航船社数は前年比3社増の13社で、利用隻数(延べ)は1261隻から1320隻へと増加。G/Tベースでも8904万7000G/T、D/Wベースは7564万4000D/Wと、ともに前年より上昇した。
通航料支払実績(確認分)は、料率の基本となるスエズ運河トン数ベースで7166万7000トン、全体の通航料が7.1%増えて4億3286万2000米ドルとなった。
船種別の延隻数は、コンテナ船が520隻から529隻と1.7%の微増、自動車専用船は348隻から378隻へ8.6%増加した。SCNTベースでは、それぞれ4018万3000トンから4527万5000トン、2013万3000トンから2123万7000トンへと増加。この結果、通航料もコンテナ船が6.1%増、自動車専用船が6.3%増となった。
スエズ運河全体では隻数が3.3%増、運河トンが5.2%増とともに増加。タンカー、バルクキャリアー、コンテナ船、RoRo船のトン数増によるものと見られている。