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ミャンマーに円借款998億円、物流円滑化など3件

2015年10月19日 (月)
ミャンマーに円借款998億円、物流円滑化など3件

▲署名式の様子(出所:国際協力機構)

国際国際協力機構(JICA)は16日、ミャンマーに3件、総額998億5000万円を限度とする円借款を付与する貸付契約に調印した。

同国は経済制裁解除や投資・貿易促進の影響を受けて実質経済成長率が7%を超えて推移しているが、旧首都ヤンゴンを中心に急速な都市化で交通渋滞が深刻化。基幹送電線の送電電力量が容量限度を超える見込みなど、老朽化した社会基盤インフラの更新が急務となっている。

また、経済成長に伴い周辺国との物流も活発化しているが、国内の国際幹線道路の整備が追い付いておらず、陸上輸送網の大きなボトルネックとなっている。

今回の円借款は、(1)ヤンゴンの交通量を支える環状鉄道の改善(2)安定的な電力供給(3)国際幹線道路の整備による物流の改善――の3件を主眼としたもの。

「ヤンゴン環状鉄道改修事業」では、ヤンゴン環状鉄道のサービス向上と利用者の増加に向けて、老朽化した車両と鉄道信号システムの更新と改修を行い、旅客輸送能力公共交通サービスの安全性・快適性を高めてヤンゴン都市圏での社会経済活動の活性化を図る。

これにより、ヤンゴン環状線の一周にかかる時間を現在の170分から110分に短縮し、運行間隔も現状の15-40分から10-12分間隔へと改善する。

また、「東西経済回廊整備事業」では、ベトナム、タイ、ミャンマーをつなぐ国際幹線である東西経済回廊で、重量車両の通行制限により物流のボトルネックとなっている3橋(ジャイン・コーカレー橋、アトラン橋、ジャイン・ザタピェン橋)の架け替えを行うことで、ミャンマー国内だけでなく、メコン地域との物流・貿易の円滑化・活性化を促す。将来的にバンコク・ヤンゴン間の移動時間は3.5日から1.9日に短縮される見込み。