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郵船ロジ、農産物の海上輸送で鮮度保持の新技術

2015年11月12日 (木)
郵船ロジ、農産物の海上輸送で鮮度保持の新技術

▲Maxtendで輸送した桃をシンガポールで販売

サービス・商品郵船ロジスティクスは12日、リーファーコンテナに収容する青果物の鮮度を保持するCA化技術「Maxtend」(マックステンド)を用いた輸送サービスを開始し、「日本産農産物のCA輸送市場を創出する」と発表した。

マックステンドを開発したオーストラリア三菱商事と契約して提供するもので、この技術を用いてCA輸送サービスを提供する国内初の物流企業となる。

郵船ロジ、農産物の海上輸送で鮮度保持の新技術

▲コンテナへの窒素ガス充填作業

マックステンドは、輸送前にリーファーコンテナへ窒素ガスを注入、専用機器を装着し、輸送中の酸素濃度管理を通じてコンテナ内を最適な大気組成にすることで農産物の鮮度保持効果を高める技術。

これまでのリーファー輸送ではコンテナ内を冷凍・冷蔵状態に置き農産物の呼吸と代謝を抑制して鮮度を保持しているが、マックステンドを設置したリーファーコンテナはCA化されることで、その鮮度保持効果が倍増する。

郵船ロジ、農産物の海上輸送で鮮度保持の新技術

▲Maxtendコントローラー

同社は7月、群馬県の青果物卸売販売「藤生」が農産物を日本からシンガポールに出荷した際、日本で初めてマックステンドを使用し、高い鮮度保持効果を確認。輸送日数は17日間、30品目の農産物を輸出した。品質面では、リーファーコンテナの輸送と比べて大幅に改善、輸送コストも航空輸送に比べ半減した。

新サービスは東京港、横浜港発で提供を開始し、今後は国内主要港への拡大を検討する。これにより、これまで海上輸送ができなかった品目や航路の輸送需要に対応し、輸送コストの削減による輸出農産物の価格競争力強化、輸送品質の向上に寄与していく。