ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

予算規模数十億円だが具体像見えず、運送会社「様子見」も

NEXCO3社と全ト協、トラックへのETC2.0導入支援検討

2015年12月21日 (月)

行政・団体東日本高速道路(NEXCO東日本)など高速道路会社3社と高速道路機構は21日、「ETC2.0車載器」の購入支援を検討していると発表した。

支援額は1台につき1万円。業務用車両を中心に「数十万台規模」となる見込みで、全日本トラック協会と協力して実施する。全ト協とNEXCO3社の負担割合など詳細は未定で、来年2月頃に具体的な支援策が公表される。

2003年にスタートした現行のETC向け助成制度では、1台あたりの助成額が3000円となっていた。今回の助成額が前回の3倍以上となるのは、機器の高性能化に加え、通常のETCの普及が一巡した後の導入促進策となるため、インセンティブとしての意味合いを込めたものとみられる。

「数十万台」の導入に対して1万円ずつ助成する場合、数十億円規模の財源確保が課題となるが、このうち半分を全ト協が負担するとしても、単年度の予算でカバーしきれる金額ではなく、基金の取り崩しなどの措置が必要になる可能性が高い。

一方で対象となる機器は、現時点でパナソニック製しかなく、国も具体的な対象機器を紹介できていないことから、ユーザーとなる運送会社は「選びたくても選びにくい」状況となっている。

このため、ETC2.0を活用した新・通行料金制度がスタートする2016年4月の段階では、大半の運送会社が「様子見」となる可能性も小さくない。利用者が置き去りになる状況を回避するには、国、メーカー、業界団体、高速道路会社がハード・ソフト両面で一歩踏み込んだ情報開示を行う必要があろう。