ヴァージンアトランティック航空、低炭素航空燃料を開発

話題ヴァージンアトランティック航空は12日、世界で初めて低炭素航空燃料を開発したと発表した。同社は「標準的な化石燃料によるカーボンフットプリント（温室効果ガス排出量）を半減させる代替燃料」と説明している。

低炭素航空燃料は、LanzaTech社との提携によって開発したもので、製鋼所から排出されるガスを収集、発酵させ、さらにスウェディッシュ・バイオフューエルズ社の技術で化学的に転換し、ジェット燃料として利用する。燃料の製造過程で、大気中に放出される二酸化炭素などの排ガスを再利用する。

ヴァージンアトランティック航空は、LanzaTech社と協力し、中国とインドで設備開発に取り組み、2-3年以内に新しい燃料を使った航空機で、上海・ロンドン間、デリー・ロンドン間の飛行を計画している。

新技術は現在、ニュージーランドで試験中だが、年内には上海に大規模な実地施設を設立し、2014年までに中国で初の商業化を実現させる見込み。

LanzaTech社は、新燃料の処理工程について、世界の製鋼所の65％で運用可能と試算しており、世界中でこの燃料の商業化が実現可能としている。

ヴァージンアトランティック航空の創設者、サー・リチャード・ブランソン氏は、今回の発表について「石油の枯渇が懸念される中、新しい燃料問題の解決策は持続可能であることが重要。製鉄業だけで、年間にジェット燃料150億ガロン以上を拠出できることは、有力な将来性を示すものだ。この新技術は、概算でき、持続可能であり、既存のジェット燃料に匹敵する費用で、商業化生産が可能だ」と述べた。

ヴァージンアトランティック航空は「LanzaTech社、スウェディッシュ・バイオフューエルズ社、ボーイング社と協力して、新しいタイプの燃料を使用した商業運航を可能するための技術的な承認を獲得し、新燃料を利用する最初の航空会社となる」とし、今後12-18か月以内に試験飛行の実施を目指している。

また、同社はこの開発で「2020年までに乗客キロメートルあたりのカーボン排出量を30％削減する」との目標を達成することができるとしている。