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シミック、メディパルHD、希少疾病用医薬品で合弁事業

2011年10月21日 (金)

メディカルシミックとメディパルホールディングスは21日、オーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)を中心とした医薬品などの開発、製造、販売で事業連携を担う合弁会社「オーファンパシフィック」を設立すると発表した。合弁会社はシミックが51%、メディパルが49%を出資し、2012年6月に設立する。

 

合弁会社は、製造販売承認を保有し、それに基づく製造販売薬事業務、営業販売管理業務などを行う。シミックグループは合弁会社から委託を受け、ライセンス、臨床開発(治験)、製造販売承認の申請・取得、製造などの機能を担う。メディパルグループは合弁会社から委託を受け、全国をカバーする流通網、都市型物流センターによる配送サービス、MR資格を持つメディパルグループの営業を活用し、販売、流通などの機能を担う。

 

合弁会社の設立により、シミックは開発中のオーファンドラッグについて、患者への安定的な供給、製品情報の提供・収集を確保することができる。メディパルグループは、合弁会社から委託されたオーファンドラッグの医薬品販売を優先的に取り組むことにより、安定的な流通の確保が期待できる。

 

シミックでは、2008年からオーファンドラッグの開発を開始し、現在、急性ポルフィリン症、尿素サイクル異常症、遺伝性血管性浮腫を対象疾患とする3剤の開発を進めている。これまで、早期の承認申請に向けた準備とともに、承認後の製品の安定供給と製品情報の提供・収集のための最適な体制を検討してきた。

 

メディパルでは、アンメット・メディカル・ニーズ(いまだ有効な治療方法がなく、満たされていない医療ニーズ)への対応を重視し、特殊な対応が求められるスペシャリティファーマについて、治験時からの製薬企業とのタイアップ、物流センターから得意先まで一貫したロット履歴管理、市販後調査などの受託など、最適な医薬品流通の形を検討してきた。

 

対象となる患者数が少ない疾病に使用されるオーファンドラッグは、治療上の必要性が高いにもかかわらず、研究開発に対する投資回収が困難であるため、製薬企業などによる開発が進まない状況にあった。