財務・人事福山通運は15日、元執行役員が絡む子会社の不正行為への対応のために遅れていた2015年4月から12月まで9か月間の決算を発表した。売上高は前年同期並み、営業利益は3%増の105億7800万円、最終利益は19.3%増の83億5900万円となった。
元執行役員は2009年度から15年度にかけ、自身が常務を務める子会社「ジェイロジスティクス」で、下請運送事業者に上乗せ請求させ、上乗せ分を横領していたことが発覚。同社は14日に第三者を含む特別調査委員会から報告書を受け取り、この調査を通じて一連の不正に伴う被害額が6億3700万円で確定した。
同社は被害額について過年度決算の訂正は行わず、今回発表した四半期決算で一括処理。営業外収益に過去の決算で経費計上していた「用車費の水増し分」6億300万円を計上するとともに、戻入金の回収が事実上不可能として、営業外費用に貸倒引当金繰入額6億3700万円を計上。「なかったはずの経費」に関連する納税額1億4000万円と合わせて、一連の不正行為に関する同社の財務処理上のダメージは7億8000万円となった。
[福山通運]2016年3月期第3四半期連結決算(単位:百万円)
2016年3月期 第3四半期 | 2015年3月期 第3四半期 | 増減 | ||
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売上高 | 191,993 | 191,905 | 0 | |
営業利益 | 10,578 | 10,272 | 3.0 | |
経常利益 | 11,977 | 11,145 | 7.5 | |
当期純利益 | 8,359 | 7,006 | 19.3 |