ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

韓国・釜山港、16年のコンテナ取扱量前年並み確保

2017年1月10日 (火)

国際韓国・釜山港の2016年のコンテナ取扱量は、ほぼ前年並みの1946万TEUとなった。韓進海運の経営破綻に端を発する混乱で目標の2000万TEUには届かなかったが、「被害」を最小限に食い止めた格好だ。

釜山港湾公社(BPA)は17年について、韓進海運が行っていた分のトランシップ(積み替え)貨物の減少や船社アライアンスの再編などで不確実性が増し、「3%の減少が予想される」との見通しを示しながらも、目標数値として再び「2000万TEU」を掲げる。

これは16年の実績から2.7%多い数値で、内訳は輸出入貨物が2.2%増の981万7000TEU、トランシップ貨物は3.3%増の1018万3000TEUを目指す。

客観的に減少が予測される中、2000万TEUを達成するために同公社は、船社アライアンスへの集中的なマーケティング活動の強化、物流業界と共同で新規ビジネスモデルの発掘を通じた物量の増大と新規サービス開設の推進、トランシップ貨物取扱量の増大と関連した効果的なインセンティブ制度の実施、ベトナムなどの東南アジア、南米、中東など「発展の可能性が高い地域」からの物量誘致――などに取り組む。

公社の呉睿宗社長は「2017年は、韓進海運の釜山中心の物流ネットワークが毀損された余波と、4月に新たに発足する海運同盟など、予測しにくい国際物流環境に徹底した変化と危機管理が要求される年だ」と述べ、危機感をにじませている。