調査・データ帝国データバンク(TDB)は7日、15%で日米合意したとされるトランプ関税に対する企業の意識調査の結果を公表した。短期的には企業の37.7%が「マイナス影響がある」と回答する一方、36.9%が「影響なし」とした。日米合意に対する評価については、「評価しない」が「評価する」を10ポイント以上上回った。合意内容の詳細が不明な点に対する懸念や、米国の強引な交渉姿勢への不満などが低評価につながった。
同社はトランプ関税による影響や日米間における関税交渉の合意に対する評価について今月1日から5日まで、インターネットを通じて企業へアンケートを行い、1184社から有効回答を得た。
調査結果によると、今後1年以内にトランプ関税が自社の事業活動に与える影響については、「マイナス影響がある」と回答した企業が37.7%で「影響はない」が36.9%となった。「プラス影響がある」は0.9%にとどまり、「分からない」は24.5%だった。
さらに、今後5年程度の中長期的な影響については、「マイナス影響がある」は42.9%で、「影響はない」が18.2%、「プラス影響がある」が1.6%、「分からない」は37.2%だった。短期的な影響と比べると、中長期的では「影響はない」が18.7ポイント下回る一方、「マイナス影響がある」が5.2ポイント、「分からない」が12.7ポイント高くなっている。
今年6月に行った同様の調査と比較すると、短期的には「影響はない」とする企業が増え、「マイナス影響がある」「分からない」は減少しており、先行きに対する不安感が若干緩和されている。
日米合意の評価については、「評価しない」が28.1%で、「評価する」の16.0%を12.1ポイント上回った。「どちらともいえない」は54.3%と半数を超えた。
評価する企業からは、「早期の妥結を評価」「途中で相手が機嫌を損ねればもっと悪い結果も有り得た」と、政府の粘り強い交渉と早期の合意を評価する声が聞かれた。
一方で、「評価しない」企業からは「内容が不明確で、本当にこれで良いのか疑問が残る」「もともと2.5%だった自動車の関税が15%になった」などと、不明確な合意内容や関税率自体への不満が示された。
「どちらともいえない」企業からも、「明文化されていない合意は評価ができない」、「今後も二転、三転するかもしれず油断できない」と、やはり合意内容が不明確だとの指摘があった。
米国は日本時間の7日に世界の国や地域に対する新たな関税率を適用したが、日本に対しては、日米合意の内容が反映されずに一律15%の関税が上乗せされる状況になっていることが判明。交渉を担当した赤澤亮正経済再生担当大臣が急きょ渡米し、米国側に抗議するとともに説明を求める事態となった。
米側との協議を終えた赤沢大臣は、米国側が「事務手続きによるもので、大統領令を修正する」と述べたと説明しているが、合意内容に対する国民の不信感が払拭されるかは不透明だ。
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